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夜間頻尿について

[2025.12.16]

夜中にトイレで何度も起きてしまうと、ぐっすり眠れないし、翌日もしんどくなることがあります。

泌尿器科で相談されることも多いと思いますが、循環器内科でも夜のトイレについては相談を受けることが多いです。

 

夜間頻尿ってそもそもどこからいうのか。

循環器内科だからこそ注意したいポイント

についての話です。

夜間頻尿とは?

医学的には

「夜、排尿のために1回以上起きなければならない状態」

を夜間頻尿と言います。

年齢とともに増えやすい症状で、生活の支障度・困り度が高いのが特徴です。

「年のせいだから仕方ない」と思われがちです。

でも体からのサイン になっていることも少なくありません。

夜間頻尿の原因は大きく3つ

  1. 多尿・夜間多尿(そもそも尿の量が多い

  2. 膀胱容量の減少(膀胱にあまり溜められない

  3. 睡眠障害(眠りが浅くて起きるついでにトイレに行く

この「どのタイプか」によって対策が変わってきます。

 

1)多尿・夜間多尿タイプ

24時間の尿そのものが多い「多尿」

  • 1日の尿量が 40mL/kg を超える と「多尿」とされます

    (体重60kgなら 40×60=2,400mL以上)。

    原因は

    • 水分・塩分の取りすぎ

    • 利尿薬(内服薬の影響)

    • 糖尿病などの内科疾患

      が考えられます。

夜だけ尿が多い「夜間多尿」

  • 24時間の尿量は普通でも、夜間の尿量の比率が高い タイプです。

  • 65歳以上では、1日の尿量の33%超が夜間に出ていると “夜間多尿” の目安になります。

    原因として

    • 寝る前の水分・塩分の取りすぎ

    • 夜のアルコール摂取が多い
    • 薬の影響

    • ホルモンバランスの乱れ

    • 高血圧・心不全・腎機能障害などの内科疾患

    • 睡眠時無呼吸症候群(寝ている間にいびき、呼吸がとまる)

2)膀胱容量の減少タイプ

  • 少量の尿でトイレに行きたくなってしまうタイプ です。

    多くは昼間もトイレが近くなります。

代表的な原因は

  • 過活動膀胱(尿意切迫感があり、トイレに駆け込む感じ)

  • 前立腺肥大症(男性で排尿しづらく、二次的に膀胱が過敏になる)
    トレイにすぐ行きたくなるが、尿量が少ない、あるいは尿が出にくい。

  • 間質性膀胱炎・骨盤臓器脱など

3)睡眠障害タイプ

  • そもそも 眠りが浅くて何度も目が覚める → ついでにトイレに行く パターンです。

  • 「トイレが原因」ではなく、「眠りの質」が原因の場合もあります。

自分でできる簡単チェック

1回の尿量でざっくりタイプ分け

夜中のトイレで、1回あたりどのくらいの量が出ているか が参考になります。

  • 毎回 200〜300mLくらいしっかり出ている

    → 尿そのものが多い「多尿・夜間多尿」の可能性が高い

  • 毎回 100mL以下のことが多い

    → 膀胱側の問題(膀胱容量の減少)の可能性あり。

排尿日誌をつけてみる

コップなどで量を測りながら、ざっくりと

「時間」と「尿量」を1日分、メモしてみる のがおすすめです。

  • 昼と夜の尿量のバランス

  • 1回で溜められる量(膀胱容量の目安)

  • 排尿回数

が見えてくるので、診察のときに非常に役に立ちます。



循環器内科として特に注意したいポイント

夜間頻尿は「泌尿器科の問題」と思われがちです。

循環器内科の立場から見ると、以下のような病気のサインとしても重要です。

1. 心不全(うっ血性心不全)

  • 昼間は足にむくんでいた水分が、夜横になることで血管に戻り、心臓から腎臓へ多くの血液が流れる → 夜間の尿量が増える ことがあります。

  • 「夜中に何度もトイレに起きる」+

    • 足のむくみ

    • 息切れ

    • 横になると苦しい(起座呼吸)

      などがあれば、心不全の初期サイン の可能性を考えます。

      普段の体重測定習慣と減塩をしっかり心がける必要があります。

2. 高血圧・腎機能障害

  • 長年の高血圧や腎臓の負担により、夜間の尿量が増える ことがあります。

  • 「血圧はそこまで高くないけれど、最近夜間頻尿が目立つ」という場合、

    • 採血で腎機能チェック

    • 24時間血圧や家庭血圧の確認

      を行うことで、隠れた臓器障害を早期に見つける手がかりになります。

    • 塩分排泄型の降圧剤(サイアザイド系)を用いていると、日中に尿の中に塩が捨てられるので、夜間頻尿が改善することもあります。

3. 糖尿病・耐糖能異常

  • 血糖コントロールが悪いと、糖が尿に出て、その糖を薄めるために尿量が増える(浸透圧利尿)ことがあります。

  • 「のどが渇く」「体重が減ってきた」などの症状があれば、糖尿病の精密検査が必要です。

4. 睡眠時無呼吸症候群

  • 激しいいびき、息が止まっていると言われる、日中の強い眠気がある方で
    夜間頻尿を伴う場合、OSASが背景にある夜間多尿 の可能性があります。

  • CPAP治療などで呼吸が整うと、夜間尿が減るケースも多い です。

5. 薬の飲み方

  • 利尿薬(むくみや心不全、血圧の薬に含まれることがあります)を
    夕方〜夜にかけて内服すると、夜間頻尿の原因 になることがあります。

  • 必要に応じて

    • 朝〜昼への内服時間の調整

    • 用量の見直し
      を行うことで、夜間のトイレ回数が減ることもあります。

    • 朝にはむくみがないものの、夕方になると足がむくむ、という症状がある方で夜間頻尿があるときには、塩分排泄型の利尿剤を朝に服用すると、夜間尿が減ることもあります。
    •  

「水分の取り方」の誤解も多いです

よくある誤解が

「寝る前にたくさん水分をとって血液をサラサラにすると、脳梗塞や心筋梗塞を予防できる??」

お昼のテレビ番組で聞きそうな健康法ですが、根拠となる研究は見つかりません。

 

むしろ、

  • 夜間頻尿を悪化させて睡眠の質を下げる

  • 転倒・骨折リスクを上げる

など、マイナス面が目立つことが多いです。

 

夜間頻尿に対する治療の選択肢

原因別の治療

  • 多尿・夜間多尿

    • 糖尿病・高血圧・心不全・腎機能障害・睡眠時無呼吸症候群など、
      基礎疾患の治療が最優先 です。

    • 水分摂取量や飲むタイミングの見直し

    • お酒はほどほどに。
    • 必要に応じて、夜間の尿量を抑える薬の選択肢もあります。
      デスモプレシンという薬ですが、心不全や腎不全があるときには状態悪化のリスクがあります。

  • 膀胱容量の減少

    • 過活動膀胱に対しては抗コリン薬・β3作動薬

    • 前立腺肥大症にはα1遮断薬・PDE5阻害薬・5α還元酵素阻害薬などを使い分けます。

  • 睡眠障害

    • 必要に応じて睡眠薬

    • 寝室環境の見直し、就寝前のスマホ・カフェイン制限など、
      生活リズムの調整(睡眠衛生の改善) が重要です。

    •  

戸頃循環器内科クリニックでの考え方

当院では、夜間頻尿のご相談があった場合、

  1. 「どのタイプか?」を一緒に整理

  2. 血圧・心臓・腎臓・血糖・睡眠の状態を総合的にチェック

  3. 必要に応じて

    • 泌尿器科的な評価が必要か>近くの信頼できる泌尿器科をご紹介いたします。

    • 睡眠時無呼吸の検査をした方がよいか

    • 利尿薬やその他のお薬の内服時間を調整した方がよいか

      を検討していきます。

こんなときは一度ご相談ください

  • 夜中に2回以上トイレに起きて、翌日のだるさや眠気がつらい

  • 最近、むくみ・息切れ・体重増加 も気になってきた

  • 高血圧や糖尿病、心臓病、腎臓病で通院中だが、夜間頻尿が前より増えてきた

  • いびきが強い、もしくは 「寝ているとき息が止まっている」と言われたことがある

こうした場合、夜間頻尿は単なる「トイレの問題」ではなく、
心臓や血圧、睡眠の病気のサインかもしれません。

 

気になる方は、遠慮なくご相談ください。
夜のトイレの回数を減らし、ぐっすり眠れて、日中を元気に過ごせる状態 を一緒に目指していきましょう。

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