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肝斑に対する治療について

シミ治療という考えは、肌の色そのもの問題ではなく、肌の色調の不均一性に注目した考えかたです。

本来の肌の色とは異なる色調が部分的にあり、色ムラがあることが気になるのは自然なこと思います。

赤色は酒さ、白色は白斑と診断されます。

身近な色ムラでいえば、茶色いシミ、ということになります。

現代では、ほとんどのシミはレーザー治療で改善させることが可能となってきています。

ただし、肝斑だけは例外的なものです。

広範囲にでき、日本人では肌の不均一性で一番多い原因であるにも関わらず完治がなかなか難しいということでもあります。

様々な論文を読んでも原因ははっきりと解明されていないし、治療方針も様々です。

一つの方法ですべての肝斑を完治できる、という方法も絶対的なものは残念ながらないようです。

当院では、このシミ治療を行いますが肝斑に対しての治療方針を明記しますので、気になる方は一度目を通していただければ幸いです。

肝斑とは

後天性で、30−50歳代の女性に見られる茶褐色斑状の顔面の色素沈着のことを言います。

典型的には、ほほの左右にほぼ対称性に生じます。

下眼瞼近傍には生じない、若年者や高齢者には殆ど見られないのが特徴です。

原因は一つではなく、いくつかの要素があると言われています。

皮膚の炎症、機械的刺激(洗顔や化粧の際の摩擦)

紫外線、乾燥などが言われています。

女性ホルモンの変動(妊娠、ピルの内服)も悪い影響があることがあります。

病理学的には、1.表皮のメラニン増加 2.真皮の光線性弾力線維変性が特徴です。

加齢による老人性色素斑などメラニン色素異常の合併も高率に起こります。

刺激をしっかり避けると再発や増悪が抑えられる肝斑もあれば、スキンケアに気をつけても再燃してくる肝斑もあるので長期的に観察していくことが大切です。

治療法について

内服治療として、トラネキサム酸とビタミンCの服用を行います。

これにより表皮のプラスミン活性抑制、メラニン産生抑制、メラノサイト増殖抑制効果を狙います。

簡単に言えば、それ以上の悪化を防ぐ、というアプローチです。

外用薬として、メラニン合成抑制とメラニン排出促進の2つを目的として薬剤選択を行います。

メラニン合成抑制目的;ハイドロキノン、ビタミンC

メラニン排出促進目的;トレチノイン(ビタミンA)ビタミンE  AHA(αヒドロキシ酸、乳酸やグリコール酸があります。俗称ではフルーツ酸などと呼ばれます。)

AHAはケミカルピーリングでよく使われています。ピーリングとは、皮をむく、という意味です。AHAを皮膚に塗ることで、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー 通常約4週間)を活発にして、表皮のメラニン色素を排出したりメラノサイトのメラニン産生能を抑制する効果があると言われています。

皮脂腺に対しては、皮脂を除去し、開大した毛穴に浸透して毛穴を収縮させる効果もあると言われています。

グルコール酸は分子量が小さいので皮膚の中まで入りやすく、乳酸は分子量が大きいので皮膚の表層部に作用するため、作用がマイルドになる、という事が言われています。

こうしたAHAなどを用いた治療は、ケミカルピーリングといい、シミ取り、シワ取だけでなく、ニキビあとの治療や乾燥肌、小ジワなどの治療にも行われることがあります。

肝斑のレーザー治療では、高フルエンスは禁忌、つまり強いエネルギーのレーザーで悪化します。

低フルエンスレーザー、当院ではレーザートーニングと呼ぶ方法での治療を用います。

副作用として色素脱失もあるので慎重に行う必要があります。

レーザー単独での肝斑治療は行いません。

(日本形成外科学会での診療ガイドラインでは、グレードC1 つまり根拠はないが行うよう薦められるという評価です。)

 

以上を踏まえて、当院の肝斑治療では組み合わせ治療になります。

1.まずは、悪化要因となる生活習慣の改善を第一とします。

紫外線曝露の徹底した予防(日除け、日焼け予防)
スキンケアでの摩擦、刺激を避ける

2.トラネキサム酸 ビタミンC ビタミンEの内服

3.ビタミンAの外用塗布 

状態によってはハイドロキノン、トレチノイン、ステロイド剤の3剤混合の外用薬を選択(効果は高いが短期の使用に限る)

4.ケミカルピーリングや毛穴洗浄、保湿などの肌管理

当院ではEnviron エンビロンでの肌管理をおすすめします。
クリニックでの施術に並行し、ホームケアで日常生活内での管理を行います。
また、毛穴洗浄はハイドラブースターで行い、その後保湿処置を行います。

上記により2ヶ月継続して効果判定を行います。

5.レーザートーニングは単独では行わず、慎重に適応を判断し併用します。

低フルエンスQスイッチNd:YAGレーザー(1064nm)での治療を考慮します。

6.老人性色素斑は通常レーザー治療が著効します。

必要に応じて併用致します。

7.炎症性色素沈着はスキンケアが重要です。

ハイドラブースターやエンビロン施術により毛穴洗浄や保湿、あるいは開大した毛穴をレーザートーニングで縮小を併用する。

 

戸頃循環器内科クリニックでは、肝斑の治療を行います。

肝斑のみならず、老人性色素斑のレーザー治療や美肌管理についてご相談ください。

シミの治療は保険診療外となります。

そのため、自費診療とさせていいただいております。

上記方針に則り、適宜状態を確認しながら治療を進めていきます。

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