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帯状疱疹について

帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気です。

体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い発疹と水ぶくれが多数集まって帯状に生じます。

80歳までに約3人に1人が発症すると言われています

 

症状

初期は「ぴりぴり」 「ちくちく」 「じんじん」 「ズキズキする」 「焼け付くような」 「とにかく痛い」 「かゆい」 「違和感」 「なんか変」などの症状があります。

 

体の左右、どちからに痛みが出ます。

次第に、神経に沿って発疹が出てきます。

典型的には、肋骨に沿って肋間神経があるので、片側のお胸から背中側にかけて帯を巻いたように発疹が出てきます。

痛みがあった場所に現れます。

最初は少し盛り上がる【丘疹】という状態です。

胸、背中、お腹などの上半身に現れることが多いです。

顔、目や口の周りに出てくることもあります。

発疹は、水ぶくれになっていきます。

新しく出来た発疹と、古いものが混在して、帯状に増えていきます。

水ぶくれは、【疱疹】といいます。

そのため、帯状疱疹、という病名で表現されます。

循環器内科では、胸が痛い、ということで受診されたときに、症状の状況から帯状疱疹を考えることもあります。

発疹が出ていればわかりますが、発疹が出る前には診断を確定するが難しいこともあります。

そのため、治療のタイミングが少し遅れてしまうことに注意が必要です。

目の周りに出たものは、初期から結膜炎や角膜炎などが起こることがあり、眼科で速やかに対処が必要です。

後遺症

帯状疱疹後神経痛;PHN が厄介な後遺症となります。

皮膚性症状が治っても痛みが残る、という状態です。

「焼けるような」

「締め付けるような」

「ズキンズキンとする」

「触れただけで痛い」

という症状は睡眠や日常生活に支障をきたすこともあります。

 

原因

多くの人が子供の頃に感染する水ぼうそう(水痘)と同じ、水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症です。

水ぼうそうが治っても脊髄に症状を出さない状態でウイルスが潜んでいます。

加齢、疲労、ストレス、風邪をひいたあとなどに免疫機能が低下すると、帯状疱疹ウイルスが活性化し帯状疱疹として発症します。

 

循環器内科で帯状疱疹ワクチンを接種推奨するのはなぜか?

2022に発表されたアメリカ心臓病学会雑誌での論文になります。
https://doi.org/10.1161/JAHA.122.027451

帯状疱疹発症で皮膚の症状だけでなく、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患のリスクを長期的に高める可能性があることが分かってきました。

この研究では、帯状疱疹の発症から5年から12年後にわたり、心血管イベントの発生率が増加していることが確認されています。

簡単に言うと、10年以上前に帯状疱疹を発症したことで、長い年月にかけて心臓病のリスクがあがってしまう、という報告です。

帯状疱疹ワクチンを接種すれば、その心臓病のリスクを減らすという観点からも、予防接種は有用であるという結論です。

予防

日本人の90%以上は帯状疱疹の抗体を持っています。

つまり、体内に帯状疱疹ウイルスがいるということです。

国立感染研究所HPより

抗体を持っている方=免疫力低下時に帯状疱疹発症のリスクが有る とも言えます。

疲れたらよく寝る、ストレスは発散する、というのも大事です。

 

ワクチンを接種して免疫の強化を図ろうというのが帯状疱疹の予防接種です。

50歳以上の人は、帯状疱疹の予防接種を受けることができます。

50歳以上は帯状疱疹の発症率が高くなる傾向があります。

そのため、予防接種は帯状疱疹を発症しないための選択肢のひとつになります

帯状疱疹ワクチンには2種類あります。

生ワクチンと不活化ワクチンです。

現在では、不活化ワクチンが主流です。

当院でもこの不活化ワクチン(薬剤名 シングリックス)をおすすめします。

50歳以上の方で、0.5ml を2ヶ月あけて計 2回筋肉注射します。

それにより帯状疱疹の発症予防効果を高めることが出来ます。

 

治療法

発症した場合には、痛みへの治療+帯状疱疹後神経痛 への対処となります。

痛みには抗ウイルス薬(内服・外用)と痛み止めになります。

痛みが非常に強いときには入院のうえ、抗ウイルス薬の点滴治療が必要になることもあります。

帯状疱疹後神経痛には慢性痛治療薬としての神経痛治療薬を調整します。

強い痛みが続くときには、神経ブロックにより痛みを遮断する方法もあります。

日本ペインクリニック学会 神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版参照

 

帯状疱疹と新型コロナウイルス感染症の関係について

2022年に新型コロナウイルスに感染後には帯状疱疹発症リスクが増える可能性が高い、という論文が報告されました。

https://doi.org/10.1093/ofid/ofac118

上記を踏まえると、コロナ感染・発症された方で50歳以上なら帯状疱疹ワクチン接種を検討する必要があります。

 

不活化ワクチン シングリックス

1回あたり 22,000円  

計 2回接種が必要です。

戸頃循環器内科クリニックでは、予約にて帯状疱疹ワクチン接種を承ります。

ご希望のかたはお電話で予約をおとりください。

048−993−4155

 

当院で行っている他の予防接種について

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