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ワクチンについての話 その1

[2025.05.20]

ワクチンって本当に必要?自然にかかったほうがいいの? 

よく患者さんから聞かれます。

自然に病気にかかったほうが免疫がつくからいいんじゃないか、といった声を耳にすることもあります。

でも、それは本当に安全なのでしょうか?

ワクチンの大切さと、自然感染との違いについて考えてみます。

 

ワクチンには「自分を守る」と「周りを守る」2つの役割があります

ワクチンを打つと、まずは自分自身が感染症にかかりにくくなる。

あるいはかかっても軽く済むようになります。

これを「個人防衛」といいます。

 

さらに大事なのが「社会防衛」という考え方です。

たとえば、あなたがワクチンを受けていれば、もし感染症が流行しても周りの人にうつす可能性が低くなります

その結果、病気に弱い高齢者や小さな子どもたち、持病のある方々を守ることができるのです。

 

 

自然にかかったほうがいい? 

「一度病気にかかれば、一生免疫がつくから自然に感染したほうがいい」と考える方もいます。

たしかに、自然感染で強い免疫が得られることもあります。

ですが、それには大きなリスクがあることを忘れてはいけません。

 

自然にかかると…

  • 高熱や咳、倦怠感だけでなく、脳炎・肺炎などの重い合併症を起こすことがあります。

  • 自分だけでなく、家族や職場の方など、周囲の人にうつしてしまう可能性があります。

  • 入院や薬の費用、仕事を休む負担など、経済的なダメージも少なくありません。

  •  

つまり、「自然に感染する」ことは、命や生活へのリスクと引き換えなのです。

 

ワクチンは最も安全で確実な予防手段

ワクチンで予防できる病気については、「ワクチンで防ぐのが最善の方法」と言い切って良いでしょう。

  • 感染を未然に防ぎ、重症化を避ける

  • 合併症のリスクを減らす

  • 周囲に感染させない

  • 医療費や社会的コストを抑える

ワクチンは、個人と社会の両方を守る知恵なのです。

もちろん、副反応(熱や腕の腫れなど)が起こることもあります。

それらは通常一時的なもの。

重い副作用が起こる確率は、自然感染による合併症よりもはるかに低いとされています。

 

 正しく知って、正しく選ぶ

ネットやSNSでは、ワクチンに関する不安や誤解も多く広がっています。

でも、予防接種の効果や安全性、そして社会的意義については、信頼できる医療情報に基づいて冷静に判断する姿勢が大切です。

当院では、ワクチンのメリット・デメリットについて、患者さん一人ひとりに合わせて丁寧にご説明しています。

疑問や不安がある方も、どうぞ気軽にご相談ください。

 

 あなたの一歩が、未来を守る

「たった一人がワクチンを打ったところで…」と思われるかもしれません。

でもその一歩が、家族を守り、地域を守り、未来の誰かの命を救うことにもつながるのです。

予防接種は、思いやりの医療と言えるのかもしれません。

何を打てばいいのかわからない、という相談もいただきます。

どうぞ安心して、ご相談ください。

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