マイコプラズマ感染症@埼玉県
平成11年からの現在のカウント方法における国内定点観測で、マイコプラズマ感染症流行が過去最高となっています。
NHKのデータを見ても埼玉県は全国第5位という位置なので、注意が必要です。
参考になるのは以下の2つのリンクになります。
です。
ただ、これだけではわかりにくいですので、要点を整理し、一部詳しく解説します。
感染後2,3週間の潜伏期間を経て発症しますが、本人は潜伏期間は症状がないので、わかりません。
まずは、発熱、頭痛、倦怠感(だるさ)を自覚します。
喉が痛い、とか、胸が痛い、ということもあります。
初期には普通の風邪と区別はつきません。
特徴は、熱が下がったあとも1ヶ月程度の咳が続くことです。
マイコプラズマは2−3μmの大きさの細長い細菌です。
この細菌の先っぽにチップ構造があり、気道の繊毛上皮に接着します。
それゆえに、気道に沿って喉、気管、気管支、細気管支と拡がっていきます。
免疫力が勝てば、奥に感染は広がらず、喉のあたりで消炎します。
拡がって奥に進んでいくと、気管支炎、細気管支炎を起こします。
上の写真の緑の矢印のイメージで奥に進んでいきます。
強く頑固で長く続く咳は、この気管支の炎症が続いているせいです。
ただし、マイコプラズマにはある特徴があります。
気道感染気管感染、なのに、肺の実質の炎症、つまり肺炎を引き起こすことがあります。
それはなぜかは突き止められています。
マイコプラズマ表面のリポ蛋白を宿主(患者さんの体)が認識すると、免疫の中心的役割であるマクロファージが活性化します。
それにより、肺実質内で炎症が生じ、肺炎となります。
胸部レントゲン検査は必須ですが、経験上大葉性肺炎パターン、肺胞性陰影パターン、間質性陰影パターンなど混在するのでなかなか診断が難しいことがあります。
胸部CT検査は有力な検査です。
CTでは、気管支の壁が厚くなっていて(つまり炎症が見えて)、更に肺炎像を見るとマイコプラズマ肺炎を強く疑います。
診断を確定するためには、咽頭ぬぐい液、喀痰からマイコプラズマを分離することですが、結果が出るまで1週間はかかります。
迅速検査でPCR法がありますが、実施可能な施設は限られています。
確定診断つかないのに治療はどうするの??
という話です。
治療は、マクロライド系のエリスロマイシンやニューキノロン系の抗生剤がしっかり効きます。
この抗生剤を始められれるかどうかが勝負の分かれ目です。
よくあるセフェム系やペニシリン系抗生剤は無効です。
また、当院では発熱外来を行います。
通常とは別の入口があり、発熱外来の中でウイルス検査などを行います。
マイコプラズマにかかられた方も来院される可能性があります。
上記のようにレントゲンやCT検査は、症状が長引いているときに行うもので、熱が出たから必ずレントゲン、CTということはいたしません。
呼吸困難や、胸の呼吸音に異常があるときには、レントゲン、CT検査は行ったほうが良いことも多いです。
必要があれば、画像検査を行う、というスタンスです。
もちろんレントゲンやCT検査は当日、その場で直ぐに結果が出ますので、ご説明いたします。
【戸頃循環器内科クリニック】は循環器=心臓や血管の治療 を行いますが、感冒発熱、頭痛、お腹壊した、喘息などの一般的な【内科治療】も行います。
越谷の内科治療にしっかり貢献させていただきたく、体制を整えて11月1日の開院に備えております。
よろしくお願い申し上げます。