検診で「心室性期外収縮」と言われました。
人間ドック、特定健診、定期健康診断などでは心電図検査が行われます。
不整脈や心臓、心筋の状態を見るのにスクリーニングには適しているということです。
その際に、時折、心室性期外収縮が見られるため要精査、要受診、という結果を持参されて循環器内科にお越しいただいています。
心室性期外収縮は、心臓の基本的な電気信号の合間に、タイミングがズレて心室から電気が発生し、心室が収縮する不整脈です。
この心室性期外収縮が見られときに考えることについてが本日のテーマです。
確認事項として必要なのは動脈硬化リスクや心臓の機能の評価になります。
LDLコレステロールなどの悪玉が多いかどうか。
高血圧、糖尿病があるかどうか。
腎臓の機能は?
喫煙者かどうか。
心電図で他に、ST−T異常という心筋虚血、心負荷、心房細動などの異常ないかどうか。
動悸症状があるかどうか。
運動したときに息切れや胸痛があるかどうか。
などを確認します。
必要に応じて心臓エコー検査で心臓の構造や機能をあわせて評価します。
心室性期外収縮が出ている心電図を見れば、心臓喉の部分から期外収縮が出ているのかも判定できます。
最近では、睡眠時無呼吸症候群も不整脈に悪影響があることがわかっています。
必要に応じて、この睡眠時無呼吸症候群の検査も行います。
ホルター心電図では、24時間心電図計を胸に貼っておき、一日の中で心臓の動いた回数、不整脈の回数などを測定します。
心室性期外収縮の数が非常に多い
動悸 胸痛 失神などの症状がある
しかも症状が強い
などの状況により治療の必要性を考えます。
経過観察になることもありますし、内服薬での治療を行うこともあります。
一定期間だけ内服薬での治療を行い、症状が落ち着いて安定してから投薬中止を目指すこともあります。
内服薬で治療しきれないときには、場合によりアブレーション治療(カテーテル手術)で治療を行うこともあります。
心室は、心臓の筋肉が分厚いので、アブレーション治療が難しいこともあります。
検診で、心室性期外収縮と言われたときには、上記のような過程により、症状・追加検査・動脈効果リスク評価・心臓機能評価・治療の必要性検討・治療後の経過観察、などの手順を経て診療しております。
心臓の機能に異常なく、症状もなければ、そのまま経過観察となることが多いです。
しかしながら、検診での不整脈発見を契機に、心臓病が見つかることもあります。
検診で異常を言われた方は、ぜひ一度ご相談ください。
戸頃循環器内科クリニックでは、心電図異常、不整脈の検査治療を積極的に行っております。