狭心症:検査で異常がなければ病気はないのか。
狭心症は“症状”から診断する病気です。
症状があったから受診した。
検査で「異常なし」と言われた。
でも症状がある。
「なんだか胸が重い」
「階段で胸がギューッとする」
そんなことを言われつつ当院へ相談に来られる患者さんがいらっしゃいます。
結果、狭心症でした、ということがあります。
狭心症は「症状」がカギになる病気です
狭心症は、心臓の血管(冠動脈)が狭くなり、心臓へ行き渡る酸素が足りなくなることで胸の痛みや圧迫感が起こる病気です。
でも、血流が一時的に少なくなるだけなので、検査中には異常が見つからないことも珍しくありません。
言い換えると…
狭心症は“症状を聞く”ことでしか見抜けないことがある、ともいえます。
どんな症状が狭心症のヒント?
典型的な狭心症のサインがあります。
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歩いたとき、階段を上ったときに胸が締めつけられる
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数分休むと良くなる
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冷たい風・早歩き・満腹後に胸や背中が重くなる
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左肩や左腕に痛みが広がる
中には
「胸じゃなくて歯が痛い」
「あごがだるい」
というように、意外な場所に出る痛みもあります。
「異常なし」で終わらせない
当院にはこういった患者さんがよく来られます。
「病院で心電図も血液検査も“問題ない”って言われました。でも、なんかおかしいんです…」
その違和感をどうにか解き明かしたいと考えています。
狭心症は発作が起きていないときは検査が正常でもおかしくありません。
だからこそ、症状の性状と検査のタイミング、が極めて重要なのです。
問診こそが診断の第一歩
私たちは、患者さんの話をとても重視します。
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どんな時に痛くなるか
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どんな痛みか(締めつけ?焼けるような?)
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どこに痛みを感じるか
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何分続くか、何で良くなるか
これらを丁寧に聞き取ることで、検査では見つけられない心臓の悲鳴を察知することができます。
たとえば、狭心症では、安静にしていれば3−5分程度で症状は落ち着きます。
30分以上症状が持続していれば、心筋梗塞になっていることも予想します。
5時間症状があった。心筋梗塞かも? >心電図検査では異常なし。
心筋梗塞なら心電図変化は普通明らか。
では、心臓からの症状ではないだろう、という思考パターンがあります。
でも。
実はよくお聞きすると、3分で収まる症状が、10分おきに起こっていた。
なので、体感的にずっと症状があるように感じていた。
狭心症では症状がない時点で心電図に異常がないのは当然。
なので、心臓からの症状ではない、とは言えない。
ということもあります。
医療従事者の感覚と、実際症状で困っている方の実感する時間感は、同じとは限らない、ということです。
なので、しっかり話を聞く、ということは、
どんな感じですか?
とお聞きする聞き方と、
それは一旦収まりますか?それもとずっと続いていますか?
と、深く聞き直せるかどうかで、狭心症の可能性、というものの見積もりが変わる、ということです。
心臓が痛いです、と言われて実際心臓のトラブルであることは実は少ないです。
よくわからないんですけど、このあたり(胸全体あるいは胸骨の裏辺りを指さされて)が重いっていうか、締め付けられるっていうか。。。
というときには、狭心症である可能性が高いように思います。
胸の違和感はどこから来てどこに行くのか
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狭心症は症状で診断が始まります。
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検査で異常が出ないこともある
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症状の聞き取りこそが診断のカギ
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違和感を感じたら、早めに循環器内科へご相談ください
「自分の身体の声」に耳を傾けることが、心臓を守る第一歩です。
それを補強するため、あるいは更にその心臓発作の状態を詳細に評価するために、ホルター心電図や心エコー検査、冠動脈CTなどを用いてさらに深く、正確に評価をしていきます。
あるいは、しっかり薬が効いていて、安全な状態を確保できているかどうか、なども評価します。
動脈硬化が悪影響をしていれば、その進行状態を評価したりもします。
気になる症状があれば、どんな些細なことでも構いません。
戸頃循環器内科クリニックにぜひご相談ください。
あなたの違和感に、耳を傾ける準備はできています。