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疲れたら寝る。

[2024.06.17]

「先生はいつ寝てるんですか?」

救急病院で働いていると、そんな質問をよく受けます。

そういった質問をされる背景には、普段の仕事で疲れが溜まって仕方がない、睡眠不足で集中できないといったトラブルがあり、何か役立つアドバイスや方法がないかと尋ねられているのだと思います。

今日の外来で患者さんからも聞かれました。

自分はこうしているよ!というお話です。

睡眠不足には以下のタイプがあります:

  • 長時間覚醒しているタイプ
  • 累積的な睡眠不足タイプ
  • 体内時計が崩れて夜型になったタイプ
  • 睡眠環境が悪くて睡眠の質が悪いタイプ
  • 睡眠障害(特に睡眠時無呼吸症候群)で眠りの質が悪いタイプ

睡眠時無呼吸症候群の方は、睡眠時間自体は確保できていることが多いですが、「いくら寝ても眠い」と感じることがよくあります。

一番おすすめする対処法は短時間の昼寝です。

通常、昼寝といえば60〜90分程度を想定しますが、これは長すぎて起きた後にぼんやりしたり方向感覚が崩れます。

これは「スリープイナイーシャ(睡眠慣性)」と呼ばれる状態で、俗に「寝ぼけ」とも言われます。

カフェインを摂ったり、明るい場所に出たり、音楽を聴いたりすることで目覚めることができますが、長い昼寝の後では不十分です。

NASAの研究によると、パイロットにコックピットで26分間の仮眠を取らせたところ、彼らの能力が睡眠前と比較して34%向上したという報告があります。

疲れた時には短い睡眠が効果的です。

疲れたら短い睡眠

この仮眠を「Nap(ナップ)」と呼びます。

10〜20秒程度の短い仮眠は「マイクロスリープ」と呼ばれ、睡眠不足時の正常な防御機構です。

5分程度の仮眠は「マイクロナップ」、15分程度は「ミニナップ」と呼ばれます。

元アメリカ大統領のケネディは一日に何回もミニナップを行っていたことで有名です。

20〜25分くらいのナップは「パワーナップ」と呼ばれ、最高の効果をもたらします。

脳の活性化に一番効果があり、NASAやGoogle、私自身も取り入れています。

仮眠を取る際には、暗く静かな場所で涼しくし、横になるか最大限リクライニングできる安全な環境を整えます。

アイマスクや耳栓、枕、良い香りのするものを用意するのも良いでしょう。

  • 昼ご飯を早めに食べて、20分くらい寝る。(満腹=眠い)
  • 30分以内で起きる。(短く)
  • アラームをセットしておく。(寝過ごすと大変)
  • カフェインを摂ってから寝る。(覚醒効果は30分くらいででてくるのでスッキリ覚醒)
  • 15時以降は仮眠はとらない。(夜の睡眠に悪影響を防ぐ)

それにより、集中力が上がる、ストレスが減る、認知能力が増す、記憶力が増す、活動的になる、心疾患のリスクが減る、という効果が報告されています。

昼寝は甘え、というのは昔の話です。

夜の睡眠がどうであれ、パワーナップができると色々な面で効果があります。

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