メニュー

第3回市民講座 脂質代謝異常について

[2024.12.23]

2024年12月21日は第3回目の市民講座でした。

脂質代謝異常 昔で言う高コレステロール血症の診断、治療についてと

循環器内科クリニックで治療する意義についてのお話です。

 

水に解けないコレステロールが、血液に乗って流れるメカニズムやその分類、なぜ悪玉とか善玉、と呼ばれるようになったのかなどについてお話いたしました。

 

動脈硬化のメカニズム、実際に血管が細くなっていく過程を間近に見ていただくと、生活習慣病の症状のでにくさ、あるいは症状が出たあとの大変な状況などもご理解いただけたように思います。

頸動脈エコーでは、簡易に動脈硬化の評価(プラーク=血管についた脂の塊)の評価ができます。

6ヶ月、あるいは1年という期間での変化も確認できます。

 

 

心臓Cでは、冠動脈狭窄や、どういったプラーク(硬い、 柔らかい もろい、 すぐに詰まりそうかどうかなど)を評価することができます。

また、食事についての考え方のお話もいたしました。

PURE研究についてです。

Associations of unprocessed and processed meat intake with mortality and cardiovascular disease in 21 countries [Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) Study]: a prospective cohort study

The American Journal of Clinical Nutrition

Volume 114, Issue 3, September 2021, Pages 1049-1058

 

21か国で行われた大規模な疫学研究「PURE Study(Prospective Urban Rural Epidemiology Study)」です。

この研究は、食肉摂取と心血管疾患リスクとの関連を探るためのものです。


研究の背景

従来、赤身肉や加工肉の摂取は心血管疾患リスクを高める可能性があるとされてきました。

加工肉とは、ハムやソーセージです。

しかし、食文化や調理法が地域ごとに異なるため、そのリスク評価には不確定な要素も多く含まれていました。

この点を解消するために、PURE研究では21か国から13万4,000人以上のデータを分析し、9.5年間の観察よりグローバルな視点で評価を行いました。


主な結果

  1. 非加工赤身肉と心血管疾患リスク

    • 週250g以上の非加工赤身肉摂取は、心血管疾患や総死亡率の上昇とは関連が見られませんでした。
  2. 加工肉の摂取

    • 一方で、加工肉(ソーセージやベーコンなど)の摂取量が多い場合、心血管疾患および死亡率が1.5倍の上昇が確認されました。

当院からのメッセージ

この研究結果から、日常の食事選びにおいて、非加工赤身肉を適量摂取することは大きなリスクとはならない可能性が示唆されました。

一方で、加工肉については引き続き注意が必要です。

重要なことは、ハムやソーセージを食べることをゼロに、ということではありません。

 

食塩や添加物の問題であったり、

野菜の摂取量や運動量の違いもあった可能性があります。

 

お酒のおつまみに加工肉は相性がいいです。

その意味でお避けの影響による違いもあった可能性があります。

 

こういう差があったから、加工肉はだめ、と考えません。

ハムやソーセージが好きな人もいるでしょう。

お弁当のおかずにしている人もいるでしょう。

おさけのつまみの定番、という方もいるでしょう。

 

定期的に血液検査や動脈硬化のチェック、特にプラークの進行などを評価すれば動脈硬化の状況がわかります。

ムリにゼロにするのではなく、様子を見ながら動脈硬化の状況と併せて食事の調整も行っていく。

循環器内では、生活習慣病の管理は得意です。

その後の心臓病などの治療はもっと得意です。

食事習慣や運動習慣、お薬の力などをうまく組み合わせていくことができます。

 

予防が最大の治療です。

 

そんな話の講演会でした。

素晴らしい質問もいただき、私自身、しっかり情報発信もしていこうと思う一日でした。

 

当院では、こうした最新の研究知見をもとに、患者さま一人ひとりに合った食生活や運動、薬治療のアドバイスや調整を行っております。

健康に関する疑問や不安があれば、ぜひ当院までご相談ください。

最新の研究知識を活用し、皆さまの健康維持を全力でサポートいたします。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME