大事にしていること
こんにちは。
医療には、自分の技術をサービスとして提供する面があります。
知識や経験をもとに、この状況ではどうすればいいのか、この先にはどういったことが予測されるのかを判断することが求められます。
学会が出しているガイドラインも参考にします。
医療ですから、もちろん患者さんのためのBest あるいはBetterの選択肢を吟味する、というのは大前提です。
これまでの修行と実践の中で、私の基本的な考え方や判断基準も確立されました。
それが「3S」という考え方です。これは、Simple(シンプル)、Safety(安全)、Speedy(迅速)の3つの要素を指します。
Simple(シンプル)
どんなに複雑そうに見える問題でも、その本質を見極めると案外単純な判断に帰結することが多いです。
シンプルであることは、わかりやすさに繋がり、実行のしやすさや他者への説明のしやすさも向上します。
さらに振り返りをするときにもシンプルさが重要です。複雑な状態のままでは、経験を次に活かしにくくなります。
ですので、私は常にシンプルに考え、行動するよう心掛けています。
Safety(安全)
医療において安全性は最優先事項です。
簡潔にすることで、不安や余計な力が減り、安全性が高まります。
治療を行う際には、その方法が有効であるかどうかと同時に安全であるかどうかを常に意識しています。
これは、得られるものと失うもののバランスを考えることでもあります。
Speedy(迅速)
SimpleとSafetyを守ることで、余計なことがなくなり、物事がスムーズに進みます。
しかし、時間を求めると安全性が損なわれることがあるため、この順番は非常に重要です。
私の師匠が言っていた「治療が早い医者は本当にうまいか、雑なだけか。ただ、治療が遅くてうまい医者はいない」という言葉を今でも大事にしています。
私は20年以上にわたり、心臓カテーテル治療、ペースメーカー治療、アブレーション治療、血管治療など様々な手術を行ってきました。
海外の先生方の手技も多く見てきました。
その中で感じたのは、やはり3Sの重要性です。
患者さんやご家族からのご指摘は、3Sのどれか、あるいは全てがうまく機能していないという結果であることが多いです。
そのため、ご指摘を頂いた時は、仕事の環境を改善する大事なタイミングと考えています。
だからこそ、「ありがとうございます」という気持ちで受け止めています。
ここに来て良かった、もっとこうだったら良いのにと言ってもらい、常に改善を心掛けています。
うまくいったことは素直に喜び、うまくいかなかったことは次こそ、うまくいくようにする。
単純ですか?
それがシンプルということ言うことです。
以上、私が仕事をする上で大事にしていることについてお話ししました。
これからも最善を尽くして参りますので、どうぞよろしくお願いします。