ウイルス・細菌・マイコプラズマの違いは?
[2025.01.08]
当院では発熱外来を行っております。
その中で、ウイルス、細菌、マイコプラズマの違いについてのご説明をすることができないため
簡単な考え方についてこちらに記載しておきます。
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ウイルス
- どんなもの?
ウイルスは、「生き物みたいだけど、生き物じゃない小さな種(たね)」です。
自分では何もできず、人や動物の体の中でだけ増えます。
- 例: かぜ、インフルエンザ、水ぼうそう、コロナ。
- 治し方:
ウイルスの病気には、「体を元気にする」か、「ウイルスが増えるのを止めるお薬(タミフル ゾコーパなど)」を使います。
- どんなもの?
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細菌
- どんなもの?
細菌は「とても小さな生き物」で、自分で動いたり食べたりして体の外でも生きられます。いい細菌も悪い細菌もいます。
- 例: 虫歯、のどの腫れ(溶連菌感染症)。
- 治し方:
細菌には「抗生物質(こうせいぶっしつ)」というお薬で治します。
ウイルスには、抗生物質は効果はありません。
難しいのは、ウイルス感染後に、さらに細菌感染が重なることがある、という点です。
そのため、最初はウイルス感染の治療を行っていたが、その後、抗生物質での治療が必要になることがありえます。
- どんなもの?
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マイコプラズマ
- どんなもの?
マイコプラズマは、細菌とウイルスの中間みたいな存在です。
細菌の仲間だけど、とても小さくて、ウイルスみたいに体の中で増えます。
特に子どもに多い「肺炎(はいえん)」の原因になることがあります。
2024年は4年おきの流行時期にあたっていました。
- 例: マイコプラズマ肺炎。
- 治し方:
マイコプラズマには、普通の抗生物質では効かない場合があります。
マイコプラズマに効く特別なお薬(マクロライド系など)を使います。
ただし、マクロライド系に耐性のあるマイコプラズマの流行も確認されております。
その場合には、ニューキノロン系 テトラサイクリン系の抗生物質で治療します。
- どんなもの?
病気になったときの治療方法の違い
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ウイルスの病気
- 例: インフルエンザ
薬剤: 「タミフル」など、ウイルスが増えないようにするお薬を使います。
これで体が元気を取り戻しやすくなります。
- ウイルスが増えきってしまった状態(発病後3日程度の時間が経ったあとなど)では、抗ウイルス薬での治療効果が低下します。
- 例: インフルエンザ
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細菌の病気
- 例: のどの腫れ 扁桃腺の感染(溶連菌感染症)
薬剤 「抗生物質」で細菌をやっつけて増えないようにします。 - 内服薬が一般的ですが、点滴では効果も早く強く得られることがあります。
- 例: のどの腫れ 扁桃腺の感染(溶連菌感染症)
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マイコプラズマの病気
- 例: マイコプラズマ肺炎
薬剤: 普通の抗生物質では効かないので、マイコプラズマ治療に特化した抗生物質を使います。 - 耐性菌の可能性を念頭に、マクロライド系の抗生物質で改善が見られないときには、ニューキノロン系やテトラサイクリン系の抗生物質で治療を行います。
- 例: マイコプラズマ肺炎
注意すること
- ウイルス: お薬が効く病気と効かない病気があります。
だから、「体を休める」のも大事です。 - 細菌: 抗生物質を飲むときは、ちゃんと処方された分を飲みきることが大事です。
以前は、十分に長く抗生剤を使用する、という時代がありましたが、現在では、抗生物質の使用期間はなるべく短く、が増えてきています。
処方の中止・継続は医師の判断によるものですので、主治医と相談されるのが良いです。
- マイコプラズマ: 特別なお薬が必要です。市販薬では、抗生物質は手に入りません。
また、肺炎になっていることもありますので、レントゲンやCT検査が必要になることもあります。
インフルエンザは2025年1月末頃がピークになりそうという予測もでています。
インフルエンザA型が現在の流行の中心ですが、B型のかたもすでに散見されています。
越谷地域での感染状況では、コロナ Covid-19もまだ見られています。
引き続き注意が必要です。
暖かくしてお過ごしください。