心不全入院。 退院後こそ大事です。
様々な原因で心不全になります。
高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、肥満などなど。
狭心症や不整脈、弁膜症があれば、心不全入院しないようにうまく管理する、というが重要になります。
血液検査や心電図、レントゲン、心エコー検査などを駆使し食事や運動管理、内服薬の調整を行っていきます。
心不全ステージというのは、この状況を模式的に表したものです。
当院のホームページでもたびたび登場するこのグラフです。
この運動耐容能・QOLが低下しているのは心不全入院を示しています
回復したとしても、入院前よりわずか低下している、ということが重要です。
長い目で見ると、徐々に低下しています。
入退院を繰り返すと、低加速度は加速していきます。
退院したから治ったではなく、ここからがスタート
心不全は「一度良くなったから終わり」ではなく、長く付き合う病気です。
家に帰るまでが遠足、という聞き馴染みの表現を借りるのならば、家に帰ってからも心不全治療、ということです。
良い状態を長く続けるためには、退院後の生活や通院がとても大切です。
入院中は強制で、減塩食となるでしょう。
運動リハビリもするでしょう。
毎日主治医の先生が朝から晩から朝まで、しっかり診てくれます。
でも退院した後はどうでしょう。
入院中のように完璧な減塩食が継続できるのか難しいこともあります。
心不全で退院後に、一ヶ月以内の再入院は10%程度、というのは20年前から言われていることです。
心不全治療では良い内服治療薬も出てきていますが、再入院率 0% ではありません。
再入院になる理由は
薬の飲み忘れ、ご飯がすごく美味しく感じ、量が増える。
「早めの受診」が体を守ることにつながる
Med Care. 2016 Apr;54(4):365-72
14日以内の外来フォロー で 2年間の再入院リスクも有意に減る ー36%
ESC Heart Fail. 2021 Aug;8(4):3002-3013
家族としてできること
-
「もう元気そうだし…」と思わずに、早めの再診予約をサポート
-
「何か変わったことはない?」と、日々の体調の変化を一緒にチェック
-
症状の悪化(体重増加、息切れ、むくみ、疲れやすさ)があればすぐに受診をすすめる
とくに、1週間で体重が2kg増えたときは注意です。
病院の外来は非常に混んでいて、待ち時間が長いから受診のハードルが高い、とお聞きすることもよくあります。
救急外来だと知らない先生だし、担当の先生の次の外来は来週以降だから、ということも同じようにお聞きします。
待っていたら、結局悪くなり再入院、というのが一番避けたいパターンです。
心不全の患者さんは、退院後すぐの時期がとくに体調を崩しやすい時期です。
血圧、体重、薬の副作用なども安定しきっていないことが多いです。
「早めの確認」「小さな異変でも相談できる」環境が、大きな悪化や再入院を防ぐポイントになります。
戸頃循環器内科クリニックには、入院ベッドはありません。
でも、退院後の不調、不安などですぐに相談頂ける環境があります。
検査を行いその時点での必要な治療を提案し行うことが可能です。
それでも再入院が必要そうな状況なら紹介状とともに、すぐに診ていただけるよう病院連絡も行います。
-
退院後の「早めの再診(できれば2週間以内)」はとても重要
-
家族も一緒に体調変化に気づけるとよい
-
「通院は予防のため」「安心のため」と考えることが大切
戸頃循環器内科クリニックでは、長い時間待つこともなく、退院後の早期サポートを行っています。