心不全と付き合う5つのコツ
心不全と診断がついたときから、ずっと慢性心不全、という状態で経過観察や、時には治療継続が必要となります。
心不全は、心臓の働きが弱くなって血液を全身に十分に送れなくなる状態です。
でも、生活の中でちょっとした工夫をするだけで、悪化を防いで長く元気に過ごせます。
それが、再発を防ぐ、ということです。
心不全とうまく付き合うための5つのポイントをお話します。
1. 塩分を控えても美味しい食事。
塩分の摂り過ぎは、心臓に負担をかけて むくみや息苦しさ を引き起こします。
塩味がなければ美味しくない?
そんなこともありません。
避ける、という意味では漬物や丼物は少量にしたほうが良いです。
でも、zero である必要もありません。
控える、程度ということです。
味噌汁は具を多くすれば美味しく楽しく食べられますね。
野菜が多いとカリウムが豊富になります。
ナトリウム>>塩分は 尿から出やすくなります。
個人的には酸味が好きです。
なので、何でもレモンや酢をかけたくなります。
そこに塩味はほんの少量で十分です。
それと、だし、です。
パックだし、かつお・にぼし・あご・昆布など、お好みで何でもいいと思います。
毎日の料理ならパックだしや粉になっているものがいいですね。
これも個人的には、こういったのを使っています。
鰹節の粉末です。
塩はほんの少しでも、鰹節粉をかけると和食系は何でも美味しくなります。
納豆や卵、豆腐、ごはん、みそ汁などなんにでもふりかけている気がします。
毎日の食事で「ちょっと減塩」を意識するだけで、心臓への負担がぐっと減りますよ。
2. 適度な運動は気持ちが良い。
「心臓が悪いから運動はダメ」と考えられていた時代がありました。
40年くらい前の話です。
実は 適度な運動 は、心臓を守る大切な習慣です。
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ゆっくりしたウォーキング
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ストレッチや軽いヨガ
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診察の際に自分に合った運動量を確認しましょう。
「今日は少し歩いてみよう」と意識するだけで、心臓も体も元気になります。
今週は、桜も咲いていますね。
花粉はぷんぷん飛んでいますが。
3. 禁煙&感染予防で心臓を守る
タバコは血管を狭くして、心不全を悪化させる大きな原因です。
禁煙 に取り組むことで、心臓の負担を大きく減らせます。
禁煙するための精神的ストレスは忘れましょう。
最近聞いた名言では、生まれたときは吸ってなかったんだから、あの頃を思いだして、って。
また、感染症の予防 も忘れずに。
心不全の方は、インフルエンザや新型コロナウイルスに感染すると、重症化のリスクが高まります。
コロナが始まった時期にさんざんいわれていたことは今でも基本です。
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手洗い・うがいを習慣に
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外出時はマスク着用
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人混みを避け、感染リスクを減らす
小さな心がけで、変わってきます。
なにもないのが一番いいことです。
4. 血圧手帳は日記と同じ
「体調の変化に早く気づく」 ことが、心不全の悪化を防ぐ一番のポイントです。
こんなチェックを心がけましょう
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朝晩の 体重測定
→ 2〜3日で2kg以上増えたら要注意です。
すぐにご相談ください。
たべすぎた? いえ。体に水分が溜まっている可能性があります。
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毎日の 血圧・脈拍の測定
→ 急な上昇や不整脈をチェックです
血圧手帳に書き込んでおいていただくと診察の際に非常に非常に参考になります。
スマホでデジタル管理も便利ですが、個人的には人の携帯電話を触るのは気が引けて、なかなか見づらい気も若干しています。 -
むくみや息切れの変化 を感じたら記録しておく
「いつもと違うな?」と感じたら、すぐに医師に相談してください。
5. 異常を感じたら、早めの受診を
ここが一番重要です。
心不全は 「早めに気づいて対処する」 ことで、重症化を防ぐことができます。
「少し調子が悪いけど、大丈夫かな?」と思ったら、我慢せずに 早めの受診 をおすすめします。
特にこんな時は、すぐに受診を!
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急な体重増加やむくみ
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ひどい息切れや胸の痛み
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動くとすぐ疲れる、だるい
定期受診も忘れずに。
一緒に心臓の状態をしっかり見守っていきましょう。
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減塩を心がけ、塩分の摂り過ぎを防ぐ
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適度な運動で無理なく体を動かす
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禁煙&感染予防でリスクを減らす
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毎日の体調チェックで変化に気づく
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少しでも異常を感じたら、早めに受診する
心不全と付き合うことは決して難しくありません。
日々の小さな変化に気づき、無理せずコツコツ続けていくことが大切です。
早めの受診を、っていっているけど外来でまた待ち時間がなあ、 と思われた方へ。
戸頃循環器内科クリニックでは、急な受診でも上記のように急な体調変化では、すぐに対応できる体制を整えております。
体調不良で不安もある状況で、長い時間をおまたせすることないよう心がけております。
皆さんの心臓の健康を全力でサポートしますので、いつでも気軽にご相談ください。