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検診で「内臓脂肪が多い」といわれたらどう考えていけばいいのか

[2025.04.24]

毎年の健康診断。

「内臓脂肪が多いですね」

「メタボリックシンドロームの傾向があります」と言われて、不安になりました、というお話をよくお聞きします。

 

「このまま放っておくとどうなるんだろう?」

「何から始めたらいいんだろう?」

当然感じる疑問です。

痩せましょう、と言われましたとのことです。

そんなに簡単に痩せないから毎年言われているのに。

 

どう理解し、どう行動に移すか、が重要です。

 

#1 内臓脂肪とは? 皮下脂肪と何が違う?

脂肪には大きく分けて 皮下脂肪内臓脂肪 の2種類があります。

皮下脂肪はお腹の外側(皮膚のすぐ下)につく脂肪。

一方、内臓脂肪は胃や腸の周り、内臓の奥にたまる脂肪です。

この 内臓脂肪 が多いと、見た目はスリムでも血圧や血糖、脂質のバランスが悪くなりやすいです。

高血圧、糖尿病、脂質異常症、さらには 心筋梗塞や脳梗塞 のリスクが高まります。

これを メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群) と呼びます。

心筋梗塞になるリスクは8倍

脳梗塞になるリスクは5倍 です。

危険な状態、といえます。

戸頃循環器内科クリニックでは、内臓脂肪の量を直接CTで測定しています。

ファットスキャンという方法で、いつでもすぐに検査可能です。

最短5分で結果が出ます。

 

 

#2 不安を感じたとき、まずどう理解すればいい?

「内臓脂肪が多い=すぐに大きな病気になる」というわけではありません。

むしろ、今わかったことは チャンス です。

内臓脂肪は、皮下脂肪よりも 減らしやすい脂肪でもあります。

大事なことだからもう一度。

内臓脂肪は減らしやすいのです。

#3  ほんと?

根拠1:脂肪細胞の代謝活性が高い

  • 内臓脂肪は、皮下脂肪に比べてリポリシス(脂肪分解)しやすい

    内臓脂肪細胞は、脂肪を分解する酵素(ホルモン感受性リパーゼ)の活性が高く、脂肪蓄積にブレーキをかけるアディポネクチンの分泌が少ないことが知られています。

  • 一方で皮下脂肪(特に臀部・大腿部)は、エネルギーを長期保存する性質が強く、脂肪分解が抑制されやすい(リポタンパクリパーゼの活性が高く、逆に脂肪分解酵素活性が低い)です。

内臓脂肪=「使われやすい倉庫」

皮下脂肪=「なかなか開かない貯金箱」

というイメージを持つと理解しやすいです。

 根拠2:血流量とホルモン感受性の違い

  • 内臓脂肪は血流量が豊富で、交感神経刺激(ノルアドレナリンなど)に対する感受性が高い

    → 運動やストレス時に、脂肪分解が起きやすい環境にあります。

  • 皮下脂肪は血流が比較的少なく、ホルモン刺激への反応も弱いため、分解が起こりにくい。


 根拠3:臨床研究データの裏付け

代表的な研究例


なぜ内臓脂肪が「生活習慣病のリスク」なのか?

内臓脂肪が過剰になると、

  • インスリン抵抗性

  • 血圧上昇(交感神経活性化)

  • 炎症性サイトカイン(IL-6, TNF-α)の増加     などを引き起こします。

だからこそ、減らすことで高血圧・糖尿病・脂質異常症の改善が期待できる

しかも「減りやすい」ので、行動が効果につながりやすいのです。




生活を少し変えるだけで、数字はしっかり改善します。

「怖いから無理な食事制限をしなければ」

「すぐに薬を飲まないと」


そんな極端な考えにとらわれず、正しく知り、焦らず、コツコツ行動していくことが、本当の意味で不安をなくす方法 です。

 

#4 具体的に、どう行動したらいい?

【1】まずは「動く」ことから

内臓脂肪に効く運動は、ポイントを押さえると意外と簡単です。

  • 週に 150分以上 の中強度の運動(軽く息が上がるくらいの運動)

    • 例:速歩(早歩き)、サイクリング、軽いジョギング、踏み台昇降

  • 「できるだけ毎日」「できるだけこまめに」がコツです。

  • まとまった時間が取れなくても、1回10分でもOK(たとえば1駅歩く、スーパーの中ぐるぐるでも)

    最強ショッピングモール イオンレイクタウンは当院から一駅です。
    Kaze からMori に歩くだけでも十分な運動です。
    夏も冬も快適気温が維持され、日焼けも気にする必要がありませんね。

【2】お腹を意識した「簡単筋トレ」

筋肉を増やすと基礎代謝が上がり、脂肪が燃えやすくなります。

  • プランク(体幹を鍛える)

  • スクワット(下半身の大きな筋肉を動かす)

  • 1日5分からで大丈夫です。

  • また明日続きをしましょう。

【3】食事は「バランス」と「よく噛む」から

  • 野菜をしっかり(1日350gを目安に)

  • 糖質・脂質を「ゼロ」にしない(過度な制限はリバウンドのもとです。久しぶりに食べる糖質は美味しすぎて止まりません。)

  • よく噛んで、ゆっくり食べる

#5  安心は行動でつくる

健康診断の結果は、

あなたの体が、今どんな状態にあるのかを教えてくれるお知らせ」です。

正しく知り、今できることを始めれば、血圧や血糖、脂質はきちんと改善できます。

 

検診の前の日から、突然の断食をする必要はありません。

いつもと同じ生活をして、今の状態を知るのが大切です。

 

怖がる必要もありません。

でも、今は大丈夫だからと先延ばしにするのはもったいないです。

子供の頃にはあんなに嫌だった血液検査です。

せっかく検診を受けたのなら、結果を最大に活かしたいものです。

 

少しずつでも行動を変えることで、

将来の不安を減らし、安心して毎日を過ごすことができる

それが、私たち戸頃循環器内科クリニックがサポートしたいと思っている健康の形です。


-------   何から始めたらいいのかわからない -------

そんなときは、どうぞ気軽にご相談ください。

一緒に、今から踏み出せる一歩を見つけましょう。

 

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