ワクチン接種について
[2025.04.16]
おたふくかぜワクチンがあります。
公費接種になっておらず、自己負担です。
1回接種をすると65%のおたふくかぜが予防できます。
2回接種すれば85%程度の予防が可能です。
ヒトパピローマウイルスワクチンでは、子宮頸がんを90%予防する、というデータがあります。
N Engl J Med 2007;356:1915-1927
RSウイルスワクチンでは、60歳以上でRSウイルスによる肺炎を85%減らすという報告がたくさんあります。
有効性が85%というのは、RSウイルスによる肺炎で苦しむ患者さんが100人いる未来を、15人に減らす、ということです。
この世から85人を救う、ということです。
でもその85人は、実感はないです。
いつもと同じ毎日が過ごせる、というメリットはあまりにも自然なので打ってよかったとは思わないでしょう。
高血圧で服用する降圧剤は、高齢者の脳卒中を30%予防する、というデータがあります。
ワクチンの効果というのはこれだけ服用している降圧剤と比較しても、強烈な有効性を示しています。
更に考えます。
降圧剤は、服用しているかたの健康を守ります。
その本人の話です。
ワクチンはどうでしょうか。
ワクチン接種をする人が増えれば、対象となっている病気の流行は減ります。
ワクチンを打っていない人の健康にもよき効果が期待できます。
多くの人が長きにわたりワクチン接種し続けていくことで、その病気自体が絶滅して、後の時代では、ワクチン自体を打たなくてすむこともあります。
天然痘ワクチン接種が長年行われたことで、いまでは天然痘ワクチンを打つ必要はなくなりました。
コロナワクチンで多くの人が経験したように、ワクチン接種には副作用もあるし、任意接種ではお金もかかります。
従来はワクチンを作って。その効果をしっかり確認しデータを取り、有効性安全性を吟味し慎重に事を進めることが必須でした。
コロナワクチンは現代的な手法で短時間で作り出てきました。
データの積み重ねが非常にすくない状態だったので期待と不安とその後の諸々で混乱があると思っています。
ワクチンは全くの正常者が受けるので、特に副作用チェックは厳密に、緻密に評価すべきものです。
65歳以上の方のインフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチンなどは一部公費負担などになっています。
一度打てば、その後にはその病気で苦しい思いをする可能性が減るということが証明されています。
特に帯状疱疹は、痛みで非常に辛い痛いのが続く可能性と、80歳までに感染発症する可能性が高く、ワクチン接種をおすすめしています。
帯状疱疹ワクチンでは、よく不活化ワクチンか、生ワクチンか、で相談を受けるようになりました。
値段が気になるときには、とりあえず生ワクチンです。
打たないよりはいいと思っています。
当院では、今年の6月ごろには公費負担接種ができるよう準備を進めています。