越谷市の集団特定健診に参加してきました。
9月24日。
午前中の外来が終わったあと、13時からサンシティで健診医として診察させていただきました。
個人的には初めての越谷市の集団特定健診です。
特定健診は、メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病を早期発見するための健康診査です。
生活習慣病は気が付かないうちに進行し、心筋梗塞、脳卒中などにつながるリスクのある疾患です。
循環器診療、特に生活習慣病や、その後の心臓病の治療を中心に行っている当院からみると、特定健診こそまさに早期発見の絶好の機会とえます。
実際多くの方が受診されてきました。
すでに高血圧や糖尿病でかかられている方は、治療を継続されるのが良いと思います。
緊張で血圧が上がってしまう方もいらっしゃったり、普段受診慣れ、されていない方が勇気を出して健診を受けに来てくれたんだなと感じておりました。
中には、数名、聴診器を当てた瞬間に心雑音が聞こえてきたり。
あぁ、これは心臓弁膜症の逆流があるな、とか、狭窄症あるな、とかがすぐに分かります。
すでに主治医の先生がいる方なら、その先生にご相談くださいね、お伝えしました。
でも、病院やクリニックにはかかったことがない、とか。
ましてや、循環器内科????ってなんですか? というかたも。
そんなところいったら、怖くてますます血圧が上がってしまうかも、と想像されるかもしれません。
ですので、なるべくやさしく、わかりやすく、お近くの循環器内科にかかられてくださいね、ということをお伝えしました。
本心では、当院に明日にでお越しいただければ診断も治療方針もすぐに立てて、すくなくともこの病気で嫌な思いをする可能性を少しでも減らせるのに、と思いながら診察を行っておりました。
早期発見、では、症状がないのが普通です。
症状がないので、病気がそこにないように思えます。
でも、そうでもないこともあります。
早期に発見しても、早期に治療ができるかどうかは、不確実な要素があります。
症状がないときには、病気なんてないって思いたいですから。
でも。
健診はそこを見つける機会であります。
未病の段階で介入すると将来の重症化は減らせます。
軽症だからこそ、治療も軽くすみやすいです。
本人にも、ご家族にも、地域にもメリットはあります。
越谷市は、特定健診の受診率は40.5%(2023年度)です。
(対象者40,438人・受診者16,361人)
県全体でも40.4%でしたので、驚くほど埼玉県の平均並、ということです。
越谷地域は、メタボ、循環器疾患で重症になる方が少なく、適切な医療サポートを受けながら元気に過ごされている未来に繋がていきたいですね。
越谷市では心筋梗塞の発症が減った、とか健康寿命が長い、という世界は可能と信じています。
そのために。
検診結果を行動にかえることが重要です。
当院では、特定健診で異常を指摘されたらまずは。
リスクを分解して解析します。
改善点を探していきます。
決してこうしなさい、ということではなく無理せず続けられることが最重要です。
食事の観点(塩分 アルコール 自炊外食など)
運動の観点(そもそも安全に運動できるか どの程度の運動・質が適切か)
睡眠の問題
ストレスの状況
から必要に応じて
動脈硬化の進行
血糖の状況(血糖管理力の程度)
リスクの見極めとそれに基づく対処
などを考えてい行きます。
早期治療の基本方針は、最小介入で副作用最小、です。
困った症状がないのに、リスク・ダメージの高い副作用が予想される治療はおすすめしません。
生活改善、ということばにアレルギーがある方でも、体重や歩数、血圧の推移を一緒に見ていくこと
つまり、できたこと、を見てさらにどうすればいいかのアドバイスをしていくこと。
それが特定健診で得られた結果を最大有効化すること、と考えています。
また2週間後に集団検診に参加させていただきます。
花は拡大して細かいところを見ていくと、とても精緻です。
その細かい点と点が結びついてから。
少し引いて全体像を見てもなお新しい美しさが成立しています。
物事考えるときもこのように、ミクロとマクロの視点を持って捉える、ということが大事だろうなと思っています。
Q1. 症状がないのに受ける意味は?
A. 症状が出てからでは遅いのが生活習慣病。
静かな進行を年1回リセットするのが特定健診の価値です。
Q2. 再検査が不安です。
A. 再検査=悪い ではないです。
悪い、ではないです。
ちがいます。
より詳しく正しく測る です。
早く分かれば軽い介入で十分なことが多いです。
Q3. 仕事が忙しくて…
集団検診は良いです。
でも戸頃循環器内科クリニックでも予約制で行っております。
当院は短時間採血です。結果のオンライン説明にも対応しています。
いつでもご相談ください。