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ストレス社会を走り抜ける

[2025.08.07]

現代は、ストレス社会と言われています。


仕事、人間関係、育児、介護……

さまざまな場面で心がすり減るような毎日を送っている方もいらっしゃいます。

「ストレスに強くなるには、運動がいいらしい」

と耳にしたことがある方もいるかと思います。

それは単なる気分転換や、汗を流す爽快感だけ、ではないのです。

 

運動がストレスの予防薬になるのかも

カナダ・ブリティッシュコロンビア大学の研究チームは、「運動の強度によって、ストレスに対する体の反応が変わる」ということを、科学的に証明しました。

https://doi.org/10.1016/j.psyneuen.2021.105336

 

この研究では、健康な若者を3つのグループに分け、トレッドミルで30分間の運動をしてもらった後、強いプレッシャーを与えるストレス課題を受けてもらいました。


すると、高強度の運動(ややきつい程度)をしたグループだけが、ストレスホルモンである「コルチゾール」の反応が小さく、すぐに元の状態に戻っていたのです。

 

 

 コルチゾールとは?

コルチゾールは、ストレスを感じると脳からの指令で副腎から分泌されるホルモンで、

  • 血圧を上げる

  • 血糖を高く保つ

  • 脳を緊張モードに切り替える

    などの働きがあります。

しかし、過剰なコルチゾール反応が続くと、免疫力の低下・不眠・高血圧・肥満・うつ症状などを引き起こすこともあります。


つまり、コルチゾールの暴走をコントロールできるかが、ストレス耐性を左右するのです。

 

 高強度の運動がコルチゾールのブレーキになる?

研究では、

  • 軽い運動(散歩程度)では効果はあまりなく

  • ややキツめの運動(70%の心拍予備能:早歩き〜軽いジョギング)が、
    ストレス後のコルチゾール分泌を明らかに抑え、かつ早く落ち着かせる
    ことがわかりました。

つまり、運動そのものが「擬似ストレス」となり、体にストレス練習をさせるような効果があるといえます。

 


細かい話でいうと。。。

  • 参加者: 健康な若年成人83名(平均年齢約21歳)

  • 介入: 以下の3群にランダム割り当て

    1. 最大心拍予備能の30%(低強度)

    2. 50%(中強度)

    3. 70%(高強度)

  • 運動: 各群で30分間トレッドミル運動を実施

  • その後: 45分後にTrier Social Stress Test(社会的評価に伴うストレス負荷課題)を実施

  • 測定: 運動中・ストレス課題前後の唾液コルチゾールを連続測定


    という研究です。


 

実際にどう活かすか

「ストレスに強くなりたい」と感じている方は、週2〜3回のややきつめの運動(20〜30分)を習慣にしてみてください。

 

息が弾むけど会話はギリギリできる程度の早歩き

軽い坂道ウォーキング

エアロバイク

軽いランニング

などが効果的です。

 

重要なのは、自分でややきついかなと感じる程度です。

この程度が、ややつらい、でいいんです。

金メダルを目指すわけじゃないですからね。

 

運動の後はリラックス

これもセットで心の安定につながります。

 

運動は「心の筋トレ」でもある。


こころ、からだも、大事ですよね。

習慣がなければ、まずは軽めに、三日坊主でいいや、始めてみるのもいいですね。

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