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動脈硬化の検査を受ける意味。

[2025.01.25]

動脈硬化は加齢で進んでいきます。

長生きをするほどに、血管も年を取るのです。

 

この動脈硬化は漢字の字面は、血管が硬くなる、という表現です。

実際に血管は、拡がったり縮んだりします。

拡張、とか、収縮、という機能です。

この機能が衰えていくのが動脈の特徴です。

 

もう一つの動脈硬化があります。

それは、下の図にあるような、血管の壁の中にあぶらが溜まる状態です。

プラークと呼ぶこのアブラノカタマリ が血液の流れを塞いでいきます。

壁の中に、コレステロールの中の特にLDLコレステロールが潜り込んでいきます。

動脈の壁は3層構造です。

内膜、中膜、外膜 です。

この内膜と中膜の間にLDLコレステロールが入り込み、たまります。

マクロファージや単球;つまりは掃除屋さんに掃除され、残骸として壁の中に積み上がったのがプラークです。

 

これは、基本的にそこにとどまります。

消えてなくなる、溶ける、という減少はほとんど、ありません。

 

 

Determinants of Coronary and Carotid Atherosclerosis in Finnish Patients with Clinically Suspected Coronary Artery Disease. A Quantitative Angiography and Ultrasound Study 2007

 

 

ただし。例外一つ。

内膜と中膜の間のアブラノカタマリ、がプラークですが、この内膜が破れることがあります。

文字通り、破ける、です。

内膜破綻 ないまくはたん と医学用語で呼びます。

あるいは、プラーク破綻。

英語でプラークラプチャー  plaque rupture.

ですね。

血管の筒の中に血液が流れていますが、このプラークと血液が触れ合うのは異常事態です。

血液が固まって蓋をしようとします。

それが、血液の塊こと血栓です。

 

そんな破れることとかあるの?

もっともな疑問です

結構あります。

たいてい、血栓は小さいうちにコロコロ。。。

転がっていくのでしょうが、時にはズドン。

 

そのまま詰まることもあります。

動脈は血液を送り届けるパイプです。

その先の臓器、詰まって血液=エネルギーが来なくなった臓器ごとに

病気の名前をつけることにしています。

詰まった血管ではなく、その先のトラブルに見舞われた臓器の名前を使います。

血液が足りない状態を虚血と呼び、全く来なくなって臓器が壊れた状態を梗塞、こうそく、と呼びます。

脳梗塞

心筋梗塞。

 

そういった状況では、文字通り命がけの治療が必要になります。

先程の動脈硬化の進行の絵をもう一度。

プラークは徐々に増えていきます。

症状は血管が詰まるまで出てきません。

長生きをしていけば、自然の摂理にしたがい動脈硬化も進行するでしょう。

では、どの段階で見つかるのが良いと思いますか。

私自身は、なるべくこの図の左側。

軽度の動脈硬化の状態でわかれば、対処の仕様もあるだろうと考えます。

体内には無数の血管があります。

すでに、脳梗塞、心筋梗塞、あるいはその前の狭心症で治療を受けられた方も、残りの血管の管理が重要になります。

 

プラークがあるか、ないか。

動脈硬化の進行の度合いはどうか?

 

この2つがわかれば、日々の生活の中で、自分の選択の根拠になります。

 

どんな人が定期的にでも動脈硬化の検査をしたほうがいいのかは、たくさんの研究からわかっています。

糖尿病

高血圧

脂質代謝異常 コレステロールがたかい

喫煙者、禁煙成功者

飲酒多い

60歳以上

腹囲85cm以上の男性  90cm以上の女性

家族が心臓病

普段歩くことが少ない

座りっぱなし

生活リズムが不規則

完璧主義者でイライラしがち

肥満

いつでも睡眠不足

 

上記の一つでもあれば、動脈硬化の評価をする価値があります。

症状がない、は、動脈硬化がない、というわけでもないです。

血管年齢や、頸動脈エコーですぐに簡単に評価ができます。

 

プラークがあれば、あとはそれへの対処を適切に行い、また6ヶ月12ヶ月 経ってから再度評価をします。

進んでなければOK.

プラークが進んでいれば、増えていれば、前回検査時からの見直せるところをすべて再点検して調整です。

食事や運動を見直してみたり、必要に応じて処方薬も調整するかもしれません。

 

血圧やコレステロール、糖尿病の治療は、動脈硬化の病気の予防です。

戸頃循環器内科クリニックでは、治療を通して、予防もおこないます。

毎日、頸動脈エコーや心臓エコー、血管年齢などの動脈硬化の評価がすぐに可能です。

いつもでご相談ください。

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