動悸を感じたときの注意ポイントについて
日常生活の中で
「心臓がドキドキする」
「脈が速く感じる」といった 動悸(どうき) を感じることは珍しくありません。
動悸とは、自分の心臓の鼓動を感じることをいいます。
体内でずっと動き続けている臓器です。
普段は、鼓動に慣れるので感じることはないのが普通です。
それを、改めて感じる、というのが動悸になります。
多くの場合は一時的なもので、特に問題がないことが多いです。
しかし、動悸が 危険な兆候 を示している場合もあります。
その違いを知ることで、早めの適切な対処ができるようになります。
軽い動悸とは?
以下のような場合、動悸は一時的で危険性が低いと考えます。
- 運動後や緊張したときや カフェイン摂取後
心拍数が一時的に上がることがありますが、数分以内に自然に落ち着きます。
いわゆる、緊張してドキドキする、はこのタイプです。
- 疲労や睡眠不足が原因
身体がリラックスすることで改善します。
鼓動を強く感じるときには、疲れているかもしれません。
しっかり眠ってみるのがいいですね。 - 更年期やストレスが要因の場合
ホルモンや心理的な影響で一時的な動悸を感じることがあります。
ストレス社会で生きていく辛さの一つかもしれません。
これらは医学的には大きな問題ではなく、生活習慣の改善やリラックスで改善することが多いです。
それでも動悸が辛いときには対処が必要です。
危険な動悸のサイン
以下の症状が伴う場合、早急な受診が必要です
- 突然の激しい動悸
- 特に安静時や就寝中に発生し、脈が異常に速くなったり、不規則に感じる場合。
- 急に始まって、急に終わる、もしくは、徐々に気づいたら終わる、などのパターンがあります。
- 不整脈などの心臓病、あるいは血管のトラブルでこの症状が出ることもあります。
- 胸の痛みや圧迫感を伴う動悸
- 心筋梗塞の初期症状の可能性があります。
- 狭心症では症状が出ても、安静にしていれば数分程度で落ち着くことが多いです。
- 冷や汗や息苦しさを感じるときには要注意です。
- めまいや失神を伴う場合
- 脳に十分な血液が送られていない可能性があります。
- 脱水状態や貧血状態、血圧低下などの可能性があり、要注意です。
- 動悸が長時間続く場合
- 特に5分以上続く強い動悸は注意が必要です。
- ドキドキが始まると永遠に感じるかもしれませんが、どれくらい動悸が続いたのか、持続時間というのは、原因を調べるときには、とても大事な情報です。
- 一瞬、数秒、数分、数十分。数時間、1日中などがありえます。
- そんなに長い時間を我慢するより受診されたほうがいいです。
- 息切れや極度の疲労感を感じる場合
- 心不全や肺の病気の可能性を考えます。
- 血液検査、ホルモン異常、肺機能、心臓機能など様々な角度から検査が必要になってきます。
動悸が頻繁に起きる場合の原因と受診の必要性
動悸が頻繁に起きる場合、次のような疾患の可能性があります。
- 不整脈
- 脈が速すぎたり遅すぎたり、不規則になる状態です。
- 正常ではない脈は全て不整脈、と考えます。
- 甲状腺機能亢進症
- ホルモンバランスの異常によって心拍数が上がります。
- 甲状腺機能低下症でも動悸を感じることがあります。この場合には心拍数が下がる、脈が遅くなります。
- 血液検査でホルモン濃度を測定します。
- 貧血
- 貧血は、血液中の赤血球の濃度が低下した状態です。
- 血液中の酸素運搬能力が低下し、心臓が強く収縮したり、脈が早くなることが多いです。
- 貧血の原因を調べて治療の必要性を検討します。
- 心臓病
- 狭心症や心筋梗塞など、重大な疾患の可能性。
- 心臓には弁、という逆流防止機能がついていますが、これが狭くなったり、血液の逆流が増えることで、動悸を感じることもあります。
- 心臓超音波検査(心エコー)検査が必要になります。
このような状態では、しっかりと検査により動悸の原因を調べ、治療対処する必要があります。
動悸を予防するために
動悸を感じやすい方は、以下のポイントを意識するとよいです。
- 規則正しい生活
- 十分な睡眠とストレス管理が重要です。
- ストレス社会では、ストレスゼロはありません。
- ストレス発散が重要です。
- カフェインやアルコールの過剰摂取を避ける
- 特に動悸が強く辛いと感じる方は控えましょう。
- 特に動悸が強く辛いと感じる方は控えましょう。
- 適度な運動
- ウォーキングなどの有酸素運動で心臓・肺・筋肉を鍛えましょ。
- ウォーキングなどの有酸素運動で心臓・肺・筋肉を鍛えましょ。
- バランスの良い食事
- 塩分や辛味の摂りすぎを避け、野菜中心の食生活を心がけるとよいです。
動悸は日常生活で経験することもあります。
動悸がするからと言ってすぐに大変だ! となるわけでもありません。
「危険な動悸」と「一時的な動悸」 を見分けることが大切です。
特に 胸の痛み、めまい、失神、息切れ などが伴う場合には早急に受診をお勧めします。
エコーやCT検査を早く受けることが、早い診断、さらには早めの治療に結びつきます。
症状が辛いまま、いつまでも検査の予定を待つのは本末転倒と思います。
当院では、動悸に関して、早く的確に検査を行い、しっかり症状を改善し治療を行うことを目指しています。
心臓の健康は生活の質に直結 します。少しでも不安を感じたら、当院までお気軽にご相談ください。