戸頃循環器内科クリニック

トランス脂肪酸を避けることの重要性

今日は、健康な生活を維持するために知っておいていただきたい「トランス脂肪酸」についてお話しします。

トランス脂肪酸とは？

まず、トランス脂肪酸とは何でしょうか？これは、食品の製造過程で生成される一種の不飽和脂肪酸です。特に、加工食品や揚げ物に多く含まれています。トランス脂肪酸は、私たちの健康に悪影響を与えることで知られており、高血圧、脂質代謝異常、糖尿病のリスクを増加させる要因となります。

トランス脂肪酸のリスク

トランス脂肪酸を多く摂取すると、以下のようなリスクが高まります：

• 心臓病: トランス脂肪酸は悪玉コレステロール（LDL）を増加させ、善玉コレステロール（HDL）を減少させるため、心臓病、心筋梗塞のリスクが高まります。
• 動脈硬化: 血管が硬くなり、血流が悪くなることで、動脈硬化が進行します。将来の脳梗塞や心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症へ発展する可能性があります。
• 糖尿病: トランス脂肪酸はインスリンの働きを妨げ、糖尿病のリスクを増加させるという疑いがあります。

トランス脂肪酸を多く含む食品

では、どんな食品にトランス脂肪酸が多く含まれているのでしょうか？具体的には次のようなものです：

• マーガリンやショートニング: これらは、パンやお菓子の製造に使われることが多いです。
• 市販のクッキーやケーキ: 工場で作られるお菓子類はトランス脂肪酸を含むことが多いです。
• 揚げ物: フライドポテトやドーナツなど、油で揚げた食品は要注意です。
• ファーストフード: 多くのファーストフードメニューにはトランス脂肪酸が含まれています。

トランス脂肪酸を避けるためのポイント

それでは、トランス脂肪酸を避けるためにはどうすれば良いのでしょうか？以下のポイントを参考にしてください：

1. 成分表示を確認する: 購入する前に食品のラベルをよく確認し、「部分水素化油脂」と書かれているものは避けましょう。
2. 自宅で調理する: 市販の加工食品や外食よりも、自宅で新鮮な材料を使って料理することが安全です。
3. 植物油を選ぶ: 調理には、オリーブオイルやキャノーラオイルなど、トランス脂肪酸を含まない油を使用しましょう。
4. 天然の食品を選ぶ: 新鮮な果物、野菜、魚、ナッツなど、加工されていない天然の食品を多く摂るように心がけましょう。

健康な生活を送るためには、食事と運動の管理が欠かせません。

トランス脂肪酸を避けることも、その一環として非常に重要です。

ただし、日本人では、どれくらいまで減らせばいいのか、というものは示されていません。

WHOはじめ、アメリカなどいくつかの国では、トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の１％未満に留めることを推奨しています。

日本人でも同程度と考えますが、計算も非常に難しいので、、なるべく避ける、という考え方で良いと思います。

私たちのクリニックでは、皆さんが健康な生活を送るためのお手伝いを全力でサポートいたします。

何か気になることがあれば、いつでもご相談ください。

以上、トランス脂肪酸についてでした。

 

参考文献