靴紐を結ぶとき苦しくなるなら
皆さん、こんにちは。
今回は、心臓の健康に関する新しい情報をお伝えします。特に心不全を抱えている方やそのご家族にとって役立つ内容です。日常生活の中で感じる「息切れ」に関するお話です。
曲げる時の息切れ「bendopnea(ベンドプネア)」について
皆さんは、靴や靴下を履くために前かがみになった時に息が切れることはありませんか?これは「bendopnea(ベンドプネア)」と呼ばれる症状です。心不全の患者さんの中には、このような息切れを感じる方が少なくありません。
30秒ほど前かがみになり、息苦しさを感じたら、それは危険サインです。
なぜベンドプネアが起こるのでしょうか?
ベンドプネアは、心臓に負担がかかっているサインです。特に、心臓の左側に血液がたまりやすくなっているときに発生します。前かがみになることでお腹や胸に圧力がかかり、心臓への負担がさらに増すため、息切れが起こるのです。
ベンドプネアを感じたらどうすればいいの?
もし、靴を履いたり靴下を履いたりする際に息切れを感じる場合は、すぐに循環器内科の医師に相談しましょう。この症状は、心不全の進行を示すサインかもしれません。医師は、血行動態の詳細な検査を行い、心臓の状態を詳しく調べることができます。
心臓エコー検査や血液検査、場合によってCTスキャンなども必要になることがあります。
精密検査や治療が必要な理由
心臓に負担がかかっている状態を放置すると、心不全が悪化する可能性があります。
適切な検査と治療を受けることで、心臓の健康を守り、生活の質を向上させることができます。
医師は、あなたの症状に応じた最適な治療法を提案してくれるでしょう。
最後に
日常の小さな変化にも敏感になり、体からのサインを見逃さないことが大切です。
ベンドプネアのような症状が現れたら、早めに医師に相談し、適切な対策を講じましょう。
皆さんの心臓の健康を守るために、私たちは全力でサポートします!
心臓の健康に関する質問や心配事があれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。それでは、また。
参考文献
JACC: Heart Failure Vol. 2, No. 1, 2014 February 2014:24–31
Bendopneaの患者さんを集めて、心臓に係る負担を調べた報告です。
心不全の方は、もともと心臓からの血液拍出量が減っていることがあり、前かがみになると余計に心拍出量が低下するため、呼吸困難感が増悪する、ということです。
European Journal of Preventive Cardiology, zwae128, https://doi.org/10.1093/eurjpc/zwae128
順天堂大学から報告されたものになります。心不全入院していて、退院前の評価でBendopneaがある方は少数ではあるが、退院後の予後は悪い、という結果でした。
ベンドニアの早期発見、早期治療の必要性を示唆する重要な報告と考えます。