楽しく生きるコツ
仕事柄沢山の方とお話をします。
治療に関わる多くの話は当然ですが、ある程度病気の状態も良くなってくると、診察のときにはそれ以外のお話に拡がっていくこともあります。
自分よりも遥かに年上のかたとのお話は勉強にもなります。
いくつになっても迷ったり悩んだりするものだなと思うこともあります。
先日、ある方から先生は楽しそうに仕事しているように見えるが何かコツはあるのか?と聞かれました。
天職だと思っているので、コツ、のようなものは考えてもいないことでしたが、その場でお話したことについてです。
自分の中では、挨拶は早いもの勝ち、と思っています。
なので、職場に来たら先に挨拶をすることを心がけています。
それにより余裕が生まれます。
余裕があれば笑顔でいられます。機嫌もいい状態を保てます。
また、今日良かったことを書き出す、といことです。
感動的な出来事なんてそうそうないですから、良かったことと言っても朝シャキッと起きれたな、とか、コーヒー美味しかったなとか。
久しぶりにあった方が元気だったとか。さっきまで雨だったのに、散歩に出ようと思った時間には雨がやんでたとか。
長い目で見ると割とどうでも良いようなことでも、その瞬間は少しだけ嬉しい、みたいなことが残ります。
それはその瞬間の感情として良かったことにしてます。
それと、誰かの考えや行動、発言などを否定しない、というのも大事かなって思っています。
そうかも知れないけど、そうじゃないかもしれない。
たまたまがあるし、必然もあるから科学的には、あるいは心情的にはどうなんだろうなんて考えるので、頭ごなしで否定するということもないように思っています。
どうしても判断したければ、科学的にどうだろうと検証する方法を知っています。
有意差p=0.05 なら95%の確率で、その結果は偶然ではない、といえる統計学を日常の仕事で学んでいます。
でも人間なら、科学的に正しくてもそれを選ばない不合理な心情があることもわかっています。
タバコは体に悪いって知っているけどやめられない、とかそれはもう科学の正しさで説得するようなものではなくなってますからね。
だから正しさで説得より、もう十分吸ったし今後の人生ではもうタバコはやめようかなー 吸う前に戻ろうかなーとか。
家族のために、誰かのために元気に長生きするためにはタバコやめといたほうがいいかな、なんて考えてもらうような、納得のステップが必要だと考えて患者さんと接したりします。
ガンとか心筋梗塞になるリスクが上がりますよー、なんて脅したって喫煙者が喫煙辞めたりしないのも理解しています。
あとは、健康でいること、病気があってもしっかり管理できていることが自分のしたいことにしっかり楽しく打ち込めるコツと思います。
自分の仕事は、目の前の患者さんが楽しく、その人らしく生きてくれることの手助けです。
その姿を見ることが、自分の喜びにつながっているのを実感しています。
自分の外来に通ってくれている方が元気でい続けてくれるのはとても嬉しいことです。
ひとつ、ひとつの積み上げ積み重ねはいつでも始められます。
1月1日には毎年そんな事を考えていますし、いろんな人生を歩まれている方と話をさせていただくと本当に勉強になります。