旬
動脈硬化予防や治療、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常(高コレステロール血症)のかたには食事指導・栄養指導というものをよく行います。
管理栄養士からの場合もあれば看護師、医師からお話することもあります。
よく誤解されているのは、栄養指導とは、食事を制限すること、と思われがちです。
本質は、食べることをよく考えよう、ということです。
体に悪いものはだいたい美味しい、という言い回しはよく使いますが、好きなものを食べるためにはそうすればいいのか、という視点が大事です。
食事はバランス、という表現もあります。
栄養成分では、食後の血糖に変わる割合は栄養素によって違います。
(図は糖尿病パーフェクトガイドから引用)
炭水化物(米、パン、うどんなど)は一時間程度で血糖に変わります。
タンパク質は3時間程度でしょう。脂質は血糖上昇には大きくは影響しないものの、ずっと影響します。
栄養素によって吸収速度がちがう。これが非常に重要です。
また、同じものを食べても、時間によって吸収のされ方は異なります。
朝の食事は、糖質に変わりやすい。
夜の食事は、脂質に変わりやすい。
言い方を変えましょう。
朝の食事は、脳のエネルギー源になりやすい。
夜の食事は、エネルギーの貯蔵になりやすい。
脂肪について
脂肪には違いがあるのか?とも聞かれます。
動物性脂肪は、とろっっとした口溶けの良いもののことが多いです。
美味しいですが、動物性脂肪はあまり体には良くないのでとりすぎには注意ですね。
魚の脂や植物油はいい成分が多いので、積極的にとったほうが良いです。
植物油として代表はオリーブオイルです。
一日三食、一週間で21食として、9食以上白身魚を食べると心筋梗塞になりにくいというデータもあります。
いわゆるEPAという成分です。
よく噛むような必要がある食事は、唾液もしっかり分泌されます。殺菌効果、消化促進効果、肺炎予防にもなります。
果物について
ビタミン摂取、といえばみかん、レモン、というイメージがありますよね。
最近のお店で買うような果物は、甘いのです。
甘いと売れる、とも言えるでしょう。
果物は、果糖です。糖質ですが、中性脂肪に変わりやすいです。特に清涼飲料水にはいっている果糖は良くないと言われています。
ペットボトル症候群という言葉もあります。
糖分を多く含む炭酸飲料やジュース、スポーツドリンク、コーヒーを多量に飲む習慣が続くと起こる糖尿病(特にケトーシス)の俗称です。
飲めば飲むほど血糖上昇、多尿、そして喉が渇くのでまた飲む。悪循環です。
500mlの炭酸飲料(たとえばコーラなど)には50gの糖分が含まれています。角砂糖17個分ですね。多いですね。
ちなみに、ポカリスエット500mlは 糖分33g つまり角砂糖10個分です。アクエリアスは23g 7個分です。
お水かお茶がいいです。
脱線しましたが、果物は糖質であり、手のひらに乗る程度の量を午前中に取るのが吉です。
野菜について
旬の野菜をとるのは大事です。
夏野菜も並んできました。
ウリの種類は利尿作用があります。
水分を多く摂る夏にはとても良いです。
きゅうり、冬瓜、すいかなどは夏に食べると特に美味しいですね。
塩分を排出してくれる、コレステロールの吸収を抑える、お腹の調子を整える、食べ過ぎを防ぎ、満腹感を得やすい、などの効果もあります。
ベジファーストといって、一回の食事ではまず一番最初に野菜やサラダを全部食べてから炭水化物や脂質を食べるという食べ方が推奨されています。
野菜には効用、があるとも言われています。
それを紹介しているページもありますのでリンクを張っておきます。
具体的なレシピは立川市のホームページでも紹介されています。
これに限らず検索するとたくさん出てきますので、色々試されるのがいいと思います。
そら豆は塩ゆで、アスパラは剥いた皮と一緒に茹でて、ズッキーニは縦半分に切って目を入れて塩で脱水後にパプリカ プチトマトと一緒にオリーブオイルで焼いて、アボガドはわさび醤油で頂きました。