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趣味について

[2024.08.11]

趣味と仕事の取り組み方は同じ気がします。

私は時間があると料理に没頭します。

面白いのは料理のコツや技術などを学んでできるようになり、自然とできるようになると短時間で美味しく見栄えも良いものができるようになることです。

いろいろな料理人さんの技術を見たり、考え方などを聞いたりするのも好きです。

たとえば寿司職人さんなどは、魚に対して、魚の選択や身の切り出しにおける包丁の技術、手順、塩加減による脱水を行い旨味を凝縮していく流れを気の遠くなるほどの回数で繰り返していくわけです。

握る力やシャリの大きさ、それを出すタイミングなども見るわけです。

どんな考えでその技術を使っていくのかなどを教えてもらいます。

湯呑みの角度を見ればもうお茶がなくなってきているのもわかりますから、お茶のおかわりのタイミングなども配慮されています。

そういったプロの話を聞きながら、自分が料理するときに参考にさせて頂いています。

患者さんでも寿司職人の方やそば打ち何十年の方、工芸品を作られている方、内科医や大先輩の外科医の先生なども診させていただいているので、時々情報交換という感じで世間話をさせていただきます。

諸先輩方の哲学などに触れ、自分の仕事にも良い影響を頂いています。

素材の最大に引き出す、といえば簡単な話ですが、たくさんの技術と経験と試行錯誤と進化成長があるように思います。

単純に楽しい時間です。

趣味ではそんな考え方をするようになっています。

仕事でも同じように考えます。

エコー検査なり心臓CTなどで、検査を受けていただいて、その結果をすごく見るんです。

検査結果から診断の確かさ、治療の選択、追加検査の必要性、治療の効果判定を細かく読み取っています。

心臓CTで冠動脈のプラークをみたら、動脈硬化の進行度、プラークの柔らかさ、硬さ、心筋梗塞に移行する可能性などを見ます。

症状や他の検査の結果と併せてカテーテル治療の必要性を考え、もし拡げる治療をするならどの方法や道具で広げるか、削るか、砕くか、ステントをいれるべきか、薬剤塗布だけがいいかなどが逡巡します。

複雑な症例では、ワイヤーをどれを使うかとか、どの方向で操作するかとか、そういうことも考えます。

心臓エコーでは、心臓に負担がかかっているかとか、将来心房細動などの不整脈を合併する可能性があるかどうかとか、食欲が落ちているはず、あるいは食事をとってもすぐにお腹いっぱいになり元気が出ないだろう、とか足がむくみやすいはず、少し動くと息が切れやすいのではないかな、なども読み取ります。

細かくご説明すればするほど患者さんは結局よくわからない、あるいはなんでそこまでわかるのか、という状態にもなりがちですから、必要な情報を切り出してご説明し、治療に進みます。

趣味と仕事での考え方は共通しているように思います。

スタッフの中でも検査技師さんや放射線技師さんのお仕事の集大成としての検査結果をしっかり患者さんの診療に翻訳し活かす、というのを理解してもらったうえで動いていると一緒に仕事をしている感覚が育っていきます。

当院では、エコーとCT、血液検査、更には体組成評価で筋肉量水分量、脂肪量なども評価できるようになるので、質が高い診断や治療を行うことを目指しています。

たとえば、最近体重が増えたのは、脂肪が増えたのか、筋肉が増えたのか、水分が溜まっているのかがわかれば、良いことなのか悪いことなのか、治療を要するのかどうか、減塩や水分の制限が必要かどうかの見通しの精度が上がります。

他の検査結果と併せて総合的に判断し、最善の選択をし、その結果をまた後日確認していきます。

もはや趣味なのか仕事なのかわからなくもなってきますね。

今日は日曜日の暑い日なので、気軽な世間話でした。

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