睡眠時無呼吸症候群を循環器内科で治療する理由について
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が繰り返し停止する疾患です。
代表的な症状には、
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いびき
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日中の強い眠気
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起床時の頭痛
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集中力の低下
などがあります。
単なる「いびきの問題」と軽視されがちですが、実は高血圧、不整脈、心不全、脳卒中などのリスクを高める重大な疾患です。
気道が狭くなっている>いびき
気道が閉塞している> 静か
なので重症の無呼吸症候群の方では、静かに寝ていることもあります。
循環器内科でSASを治療する理由
SASの治療は、耳鼻咽喉科や睡眠外来で行うイメージが強いかもしれません。
しかし、実際には循環器内科と深い関係があります。
その理由は大きく3つ。
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心血管疾患との関連が強い
SASの患者さんは高血圧や心不全、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)、不整脈(特に心房細動)のリスクが非常に高くなります。例えば、睡眠中に無呼吸が続くと酸素不足に陥り、交感神経が過剰に働きます。
その結果、血圧が上昇し、心臓や血管に負担がかかります。
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循環器疾患の悪化を防ぐための介入が重要
SASがある患者さんでは、心血管疾患の管理が難しくなることが知られています。例えば、-
高血圧の治療をしてもなかなか血圧が下がらない
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心不全の治療をしても症状が改善しにくい
こうした場合、SASの治療を行うことで血圧が安定し、心血管イベントのリスクを下げることができます。
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CPAP治療が心血管リスクを下げる
SASの標準治療であるCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)は、睡眠中の無呼吸を防ぐだけでなく、心血管イベントの予防にもつながります。CPAP治療を続けることで、
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血圧が安定しやすくなる
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心房細動の発作頻度が減る
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心不全の進行を抑える
といった効果が期待できます。
不整脈の根治治療であるアブレーションを行ったあとでも、無呼吸症候群が見逃されている・治療ができてない、などの状況では、不幸にして、また再発してしまう可能性が高まります。 -
戸頃循環器内科クリニックでのSAS診療
当院では、循環器疾患を持つ方の睡眠時無呼吸症候群の診断・治療を積極的に行っています。
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簡易睡眠検査(在宅でできるスクリーニング検査)
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精密検査(在宅でできる終夜睡眠ポリソムノグラフィー)
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CPAP治療の導入・フォローアップ
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生活習慣改善の指導(減量、禁煙、運動など)
精密検査でも入院せず、自宅で一番詳しい検査ができる、ということは重要です。
単純に入院費と入院のための時間が節約できます。
検査のために使うお金は節約できるなら、しっかり節約したいものです。
特に、心血管疾患を抱える患者さんにとって、SASの管理は健康寿命を延ばすために非常に重要です。
いびきや日中の眠気、高血圧が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
睡眠の質を改善し、心血管の健康を守るために、私たちが全力でサポートいたします。