心房細動の診断 治療について
脈が乱れる、脈がとぶ、 脈が一定でなくなった。。。
日本の超高齢化に伴い心房細動の患者さんが増えています。
およそ100万人いると言われています。
心房細動は、突然あるいはいつの間にかに脳梗塞になっていたり、心不全を起こしたり、認知症や腎不全の原因となります。
患者さんの約半分は無症状とも言われています。健康診断でたまたま不整脈、心房細動が見つかることがあります。
トラブルになる前に診断ができれば、脳梗塞の予防として血液をサラサラにする抗凝固薬やカテーテルアブレーションにより、心房細動がない状態に近い、あるいは根治の状態になることも可能です。
当院では、院長である私が多くのアブレーション治療を行ってきた経験から、心房細動に対しての基本的な方針は下記のように考えております。
1. 早期に見つけること
心房細動がたまに起こっている状態でもその後に悪化、重症化していくことがあります。なのでなるべく早いうちに見つける、という姿勢が大切です。
アップルウォッチも有用です。(2024年6月6日院長ブログ参照)
2. 必要な処方
特にトラブルを未然に防ぐための防御を行うこと 血液さらさら薬、脈を整える薬、など。
(投薬にはメリットとデメリットがあります。そのため、ここの患者さんでその有効性安全性について検討します。)
3. なぜ心房細動になったのか?
心臓の機能は保たれているのか。原因と評価を並行する。
(高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、狭心症、甲状腺ホルモン異常、ストレス、カフェイン過多摂取、喫煙などの原因検索を行います。また、心臓エコー検査や必要に応じて頭部CTで脳梗塞になっていないかの確認や心臓CTで冠動脈狭窄などの検査も検討します。)
高血圧を適正に治療すると、心房細動発症リスクが低下します。
糖尿病の管理が悪いと心房細動の発症リスクが上昇します。アブレーション治療を行ったあとの再発も、適切な血糖管理を行うと再発が減ります。
睡眠時無呼吸症候群の治療を行うと、心房細動発症リスクが低下します。
甲状腺機能亢進症があると、心房細動発症リスクが2倍以上増加します。この場合に、甲状腺機能亢進症を適切に治療すると、正常洞調律を維持できることもあります。
喫煙者で心房細動を発症した方は、禁煙すると心房細動発症リスクが低下します。
4. アブレーションなどにより根治可能化どうかを判断する。
院長は術者として多くの治療経験があります。心臓の状態を併せて検討いたします。また合併症なども熟知しておりますので方法や危険性なども鑑みてご説明いたします。
5.一緒に考え方針決定 Shared decision making.
患者様やご家族様の希望や意見、今後の人生についての考えなどを総合して患者様と相談し治療方針を検討する。
症状があればその対処を優先で検討します。
6. 根治希望ならばアブレーション治療
ご希望の施設、あるいは信頼ある施設をご紹介いたします。
7. その後のフォロー
再発していないか?
心房細動発症に悪い影響があった因子はしっかり管理できているか?
特に睡眠をしっかり取れているか?
不安のない、自分らしい生活を過ごせているか?
不要になった減らせる薬剤はないか?
心電図、エコー検査、心臓CT、血液検査、ホルター心電図、スマートウォッチなどを駆使して治療を進めていきます。
更に詳しい解説を記載していきます。
また以下は私が監修した動画となります。10分ほどですのでご覧いただければと存じます。