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更に詳しい心房細動の解説

正常な脈について

心臓はどうやって動いているのか、について。

正常の状態では、洞結節から電気が発生します。これを自動能といいます。

1分間あたり50−100回程度の頻度で電気が生じます。

電気は一箇所にとどまることができない性質があります。そのため、流れていくわけです。この流れを電流と呼びますし、電流の経路を伝導系とよんでいます。
心臓は筋肉でできているので、電流が通るときに筋肉が収縮します。
電流により心筋が刺激を受けて収縮する。このメカニズムにより心臓が収縮するのです。
心筋を刺激して心筋が収縮するので、刺激伝導系、という呼び名もあります。
この刺激伝導系は老化や虚血により傷害されると、電流が途絶する状態になります。
当然心筋は収縮しなくなるので、徐脈(脈が遅すぎる)になります。
この状態では通常ペースメーカーにより、新たに心筋に電気を流し、収縮を促すようにします。
心房と心室、という上下の関係、かつ右左で右心房右心室、左心房左心室という4つの部屋構成になっています。
心房が収縮したあと、しばらくして心室が収縮する。
餅つきのように順番に縮むことで、効率よく血液を送り出すのが正常の刺激伝導系の役割になります。

心房細動では、心房内でおもに400-600回/分の興奮電流が流れている、もしくは渦巻いているという説があります。

問題になるのは、その渦巻き電流の最初がどこから発生しているのか、というきっかけ、になります。

これをトリガー trigger  と読んでいます。これを世界で最初に報告したのが以下の論文になります。

1998年に報告されたこの論文は、心房細動が起こる最初の期限は左心房につながる肺静脈から起こることがほとんどである、ということを示しています。

2024年のこの時代においても、98年のこの論文に則して、肺静脈のトリガーを熱で、あるいは冷却で隔離消滅させるという原理は変わらず行われているのですが、その原理を突き詰めた点で画期的なものです。

Dr.Haissaguerre(ハイサゲール先生)はフランスボルドーの先生です。

 

この動画では、高周波カテーテルにより肺静脈を隔離しているところです。

拡大肺静脈隔離という方法で、上下の肺静脈を点と点で繋げていき隔離しています。

加えて、左心房後壁の上下にそれぞれ隔離ラインを加えて、後壁隔離という方法を追加し、最終的に電流がないことを確認しています。

 

最近はでは、発作性心房細動では、クライオアブレーション(冷凍凝固)という治療法が多くされるようになっています。また、2024年末ごろか2025年前半には、パルスフィールドカテーテルというものも市販されてくる予定で、また画期的な治療法もすぐ利用できる様になってきております。

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