睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは(オンライン診療がおすすめ)
寝ているだけ呼吸が止まり、体の中の酸素が欠乏することにより様々な合併症を引き起こします。いびきが多い方に多く見られますが、呼吸が完全に停止している間は無音とななることもあります。患者様本人は寝ているため、無呼吸やその一歩手前の低呼吸を自覚することが非常に少ないので寝ているところを他の方に見られ、無呼吸であったとこを指摘され初めて気づくこともあります。日中の眠気が強く出る症状が多いです。また脳梗塞、不整脈、心筋梗塞、認知症などの合併が増加すると言われています。
原因
原因は、睡眠中に舌根や軟口蓋という部位は重力により落ち込み、気道(呼吸時に空気が通る道)を狭めたり、一時的に完全に塞ぐためです。いびきをかいている状態というのは、この喉が一時的に狭くなっている気道を通り時の音になります。
なので、完全に無呼吸、つまり呼吸が止まった状態では、いびきは聞こえなくなり、無音となります。周りからは、「いびきが止まった」ように見えます。いびきをかいていた本人は寝ているためわかりませんが、実は非常に苦しい状態となっています。
また、無呼吸あるいは低呼吸が起こる原因として肥満が考えられております。しかしこの睡眠時無呼吸症候群の患者さまを多く調べてみると、半分くらは肥満でなくとも発症しています。これは、日本人の喉の骨格的特徴によるものと考えられています。
欧米人に比較して、喉が奥まっている、顎がひっこんでいるような構造のため、無呼吸になりやすいということです。
肥満の方がこの無呼吸症候群治療中に体重減量(特に10%以上の減量)ができると、無呼吸は改善してくるという報告もあります。
症状
多くは日中の眠気、熟眠感がない、集中力がない、いくら寝ても眠い、起床時の頭痛、夜のトイレの回数が多いなどの症状です。
無症状の方もいらっしゃいます。
また睡眠中に家族や友人から「いびきがうるさい」 「寝ているときに息が止まっている」など周囲の人から指摘されて発見されることも多い疾患です。
高血圧や糖尿病との合併も多い疾患で、睡眠時無呼吸症候群の治療を開始したあとは、高血圧の管理が安定した症例や、不整脈の管理が安定した症例などを見かけます。
また夜のトイレが多い、という症状は、前立腺肥大症、心不全、処方薬による影響などの可能性もあります。
診断
まずは、簡易検査によりスクリーニングを行います。
病気がありそうか、なさそうか。それを明らかにします。
自宅に簡易検査機器を持ち帰り、一晩機械装着をしいつも通りに寝ていただきます。
就眠中の体内酸素濃度と鼻空気流を測定し、睡眠1時間あたり何回呼吸停止となったのか(AHI 無呼吸低呼吸指数)を測定します。正常でも1時間あたり2〜4回程度は無呼吸があります。
それがAHI 10を超えるようだと無呼吸症候群の可能性が高いと判定します。
AHI 40を超えた場合にはその時点で治療が必要な睡眠であると判定し治療を検討いたします。
AHI 10-30台 程度の場合には精密検査をお勧めします。
これは睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)といい精密検査で、睡眠中の呼吸の状態や体の向き、心拍数変動や不整脈の発現、閉塞性もしくは中枢性無呼吸症候群の判定などを行います。通常は一泊入院となりますが、自宅でPSG検査を行うことも可能です。
ご相談後に方針を検討いたします。
治療
口腔内装具(マウスピース)、CPAP(シーパップ)治療、手術の3つが選択肢となります。
肥満があれば、体重減量管理治療を並行して行います。
当院では医療保険での減量治療や自費診療での減量治療なども行っております。
高血圧、脂質代謝異常、糖尿病、心臓疾患などの合併症がある場合、そちらの治療とのバランスも調整も行います。
#1. マウスピース
AHI 10 を超える程度で軽症の場合に適応となります。
歯科で作成可能ですが、無呼吸症候群用のマウスピースは専門的知識も必要となるため、経験豊富で精密に作成してくれる口腔外科などの医療機関をご紹介いたします。
#2. CPAP治療(シーパップ)
AHI 20 以上(中等症以上)でCPAP治療をお勧めしています。
経鼻的持続陽圧呼吸法と言われており、マスクをして空気を送り込み、気道確保を行います。
通常、CPAP治療機械のレンタルで、睡眠されるときにマスクをつけていただきます。
患者様ごとに機械設定やマスクの相性があるので、外来診療を通して都度変更調整し無呼吸を抑制します。
早い方では、CPAP装着2日目で自覚症状が非常に改善する方もいらっしゃいます。
また、時間をかけて調整が必要な方もいらっしゃいますので、外来で相談しながら治療を継続します。
費用は、3割負担の方で月々4500円程度となります。(診察料 レンタル料込み)
マスクや消耗品などの費用もそのなかに含まれます。
当院では、CPAP治療の方では、なるべくオンライン診療をお勧めしております。
CPAPの使用状況や作動状況、お体の状態確認やその他気になること、指導管理として診察時に確認いたします。CPAP使用も慣れてくると無呼吸症候群がないのと同じくらい体調が落ち着きます。眠気も感じず、集中力も回復し高血圧などのトラブルも改善方向に向かいます。
そのため、安定すれば毎月通院するのも負担となってきます。
CPAPの作動状況はいまはネット経由でクリニックから確認できますので、体調に変化がなければオンライン診療で十分になります。
オンライン診療はスマートフォン経由で簡単に受けていただけるようにシステムを構築しておりますのでご希望の方はその使い方なども適宜ご説明させていただきます。
状況によっては初診での診察、検査機器の配送返却もオンライン診療で対応可能です。
CPAPをお持ちする都合で、機器取扱い業者が自宅などご指定の場所に伺い、対面でのCPAPの使いかたのご説明をさせていただきます。
機器取扱い業者は、機器設置と保守管理、マスクやバンドなどの消耗品供給を行います。また、CPAP本体なども適宜交換していきます。
#3. 手術療法
CPAP治療がどうしても使用できない場合の選択肢となります。
実際に無呼吸症候群を手術で治療することなることは、非常に少ないです。