Inbodyで健康なカラダを作る
当クリニックで導入している体組成計「InBody」についてお話ししたいと思います。
特に、高齢者の皆さまにとって筋力測定がどれほど大切であるか
そしてそれが豊かな人生と健康年齢の延伸にどのように繋がるのか
当院でのとりくみについてご紹介いたします。
InBodyとは?
InBodyは、体重だけではわからない「体の中身」を詳しく測定できる優れた機器です。
この機器を使うと、以下のような情報を知ることができます。
- 筋肉量(全身・部位別)
- 体脂肪量と体脂肪率
- 体水分量
- 内臓脂肪レベル
- 基礎代謝量
これらのデータをもとに、自分の体がどのような状態にあるのかを具体的に把握することができます。
部位別インピーダンス測定
なぜ高齢者にとって筋力測定が重要なのか?
歳を重ねるにつれて、筋肉量は年々減少していきます。
この現象をサルコペニア(筋肉減少症)と呼びます。
人間、丸一日ずっと寝ていると 筋肉の2% が減る、ということがわかっています。
筋肉が減少すると、以下のようなリスクが高まります。
- 転倒・骨折:筋力が低下すると、バランスを崩しやすくなります。
- 日常生活の困難:立ち上がりや歩行が難しくなることで、自立した生活が難しくなる可能性があります。
- 基礎代謝の低下:筋肉量が減るとエネルギー消費が少なくなり、肥満や生活習慣病のリスクが増します。
しかし、逆に言えば、筋肉量を維持し、必要に応じて増やすことができれば、健康寿命を延ばすことができるのです。
InBodyを活用した健康づくり
当クリニックでは、InBodyを使って定期的に体組成をチェックすることをお勧めしています。
特に高齢者の方にとっては、自分の筋肉量やバランスを知り、それを維持・向上させるための指針として非常に役立ちます。
例えば、以下のようなことが可能です:
- 筋力トレーニングの効果測定:トレーニング前後で筋肉量の変化を確認できます。
- 食事改善のアプローチ:栄養が偏っていないか、筋肉維持に必要なタンパク質が足りているか確認できます。
- 転倒リスクの評価:下肢の筋肉量を測ることでリスクを予測し、早めに対策ができます。
具体的には?
このような形でレポートが出てきます。
測定するだけでは意味がありません。
これをどう解釈するか、という話です。
たとえば体成分分析の欄を見てみます。
体水分量をみてみると、水分が少ないことがわかります。
高齢者では、脱水気味でも喉の乾きに気づきにくいということがあり注意が必要です。
あるいは、足のむくみがあり、これが水分が多すぎるのかどうかがわかります。
利尿剤を使って、むくみをとるときにも、薬の量の調整にも参考になります。
ミネラルは骨の量であったり、タンパク質量として筋肉量も評価可能です。
筋肉と脂肪のバランスで言うと、筋肉量が少なめなことがわかります。
標準体重ですが、筋肉量が足りないのです。
では、筋肉を鍛えましょう! となるのか?
ということです。
実際体のどの部分を鍛えるのか?
あし? 腹筋? 腕立て?
ということで、様々な生活習慣がある中では、人によ、足りない筋肉は様々です。
そこで。
部位別の筋肉量を見てみると、両足が足りないことがわかります。
長い時間座っていることが多いのでしょうか。
腕を使う作業なり、日常生活はあるものの、足を使っての移動が少ないのだろうと推測します。
更には、座っていて立ち上がったり、階段上り下りなどで、苦労している可能性があります。
おそらく、辛いので足を使うのがおっくうになり、運動も減っていき、悪循環になっているのかもしれません。
腕はこれで大丈夫なのか?という疑問が湧きます。
握力を見てみましょう。
両手でみても19kg程度です。
握力と認知機能の関連があることがわかっています。
認知症のチェックなどもして、早期に対策することも可能となります。
よくある、筋肉を鍛えましょう、といったところでやり方もわからず、何からやったらいいのかわからない。
だから、始められない。
測定は、それをどうにかするための一歩です。
この方で言えば、足、とくに膝から下の筋肉をまず鍛えるための具体的なアドバイスをします。
転ぶのが心配ですから、座ったままできる運動を理解しできるようにしてもらいます。
その後に、今度は、ももの筋肉を鍛える運動をしてもらいます。
腹筋や背筋も鍛えつつ、ももの筋肉をつけてもらう。
正しい姿勢で、呼吸のいくつかのコツを知ってもらって。
そうして安心し歩いていただき、心肺機能の調整を更に行っていくということです。
測定原理は複雑ですが、結果のレポート診断はプロに任せて、アドバイスをしてもらうのが一番楽です。
ダイエットなどでも、 「運動したのに体重が減らない」なんて話をお聞きします。
「効果ないから運動もしなくなった。。。」
そんな話は巷に溢れています。
でも、Inbodyで確認してみると、
筋肉は増えて、脂肪は減っている
という状況が目に見えるようになります。
確かな効果があったのに、体重、だけでこのようなことを評価するには限界があります。
正しく目標を立てる
より効果のある運動を取り入れる
正しく評価する
この3つが揃うことが大変重要と考えます。
Inbodyを使っていくと、評価の精度が高まります。
高齢者では特に、安全で、有効であること も大切です。
転倒が一番怖いんです。
骨折する事態を避けるためには、下半身をしっかり鍛えること、
手をついて自分の体を支えること、が重要になります。
握力が落ちていれば認知のケアもあわせて必要です。
健康年齢を伸ばし、豊かな人生を
筋肉量を維持・向上させることで、ただ寿命を延ばすだけでなく、「自分の力で動ける」「好きなことができる」という質の高い人生を送ることが可能になります。
日常生活の自立ということだけではなく、高齢期になっても人の役に立ったり、新しい活動にチャレンジしたりするには、やはり筋力を高く保つことが大切といえるでしょう。
家族や友人と旅行を楽しんだり、趣味に打ち込んだり、これまでと変わらない生活を続けるためには、筋力が鍵を握っています。
まずは一歩
戸頃循環器内科クリニックでは、InBody測定を通じて、皆さまの健康づくりをサポートしています。
「健康診断では特に問題がなかったけれど、最近なんとなく体力が落ちた気がする」
「筋トレを始めたいけれど、何から始めれば良いかわからない」
という方は、ぜひ一度測定してみませんか?
高血圧や糖尿病の治療にも非常に役に立ちます。
循環器内科は、こういった生活習慣病の対策も治療も特に分野です。
あなたの体を「見える化」することで、未来の健康づくりがより具体的になります。
スタッフ一同、皆さまの豊かな人生を全力でサポートいたします。
いつでもお気軽にご相談ください。