違いは力
戸頃循環器内科クリニックのまえのピアシティで、ドラッグストアや動物病院、フィットネスクラブの工事が進んでいます。
こういう工事や建築を見るのは好きです。
土台が出来上がり、その中でいろんなことが起きていくことを想像したりもしています。
私たちが日々の暮らしで何気なく目にする建物や橋などの多くが、鉄筋コンクリートと素材でできています。
この鉄筋コンクリートは奇跡の素材と呼ばれたりします。
その理由は、その強靭さと耐久性にあります。
この強さを支えているのは、鉄とコンクリートという異なる性質を持つ素材が絶妙なバランスで融合しているからです。
そして、この特性は、私たちがクリニックで目指している強いチームにも通じるものがあります。
鉄筋を例えば、アルミニウムにしたり、チタンにしたらより強度は増すのか?と考えたことがあります。
実は、うまくいかないようです。
鉄筋コンクリートの最も重要なポイントの一つは、鉄とコンクリートの熱膨張率がほぼ一致していることです。
- 鉄の熱膨張率:11.7 × 10⁻⁶ /°C
- コンクリートの熱膨張率:10~14 × 10⁻⁶ /°C
この数字の一致が何を意味するのか。
温度変化があっても鉄とコンクリートが一緒に膨張・収縮し、内部にひずみが生じにくいということです。
つまり、素材同士が足並みを揃えることによって、外からのストレスや圧力に耐えることができるのです。
この鉄筋とコンクリートの関係は、チームづくりにも通じるものがあると感じています。
クリニックで働く私たちも、それぞれが異なる役割や強みを持つ 鉄とコンクリート のような存在です。
例えば:
- 医師や看護師が鉄筋だとすれば、専門的な知識や経験でチームの柱となり、強力な引っ張り力を提供します。
- 事務スタッフや患者対応スタッフはコンクリートのように、チーム全体を包み込み、安定感を与えます。
クリニックの入口出口にはスタッフが笑顔で仕事をしています。
これらが足並みを揃え、同じ方向を向いて進むことが重要です。
お互い向かい合う、ではなく、同じ方向を向くことです。
外部からのストレス、たとえば忙しい診療日や困難な患者対応などにも柔軟に対応できる、強靭なチームに成長していきます。
「熱膨張率が近い」チームとは?
鉄筋コンクリートの強さの秘密である熱膨張率の一致は、チームの中では「価値観や目標の共有」に当たります。
私たちが同じ理念を持ち、互いを尊重しながら協力することで、温度(ストレスやプレッシャー)が変わってもチーム全体の調和が保たれます。
クリニックで目指すべき理念
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患者さんの安心感を第一に
患者さんにとって、私たちは心の支えであり、健康を守る柱です。
理論や技術、医療機器はあくまで、手段でしかありません。
そこから得られる成果を届けて、結実してこそ意義があります。 -
柔軟性と協力
忙しい日でも、誰かが困ったときにすぐ手を差し伸べられるチームを目指しています。
困っているときにこそ、クリニックの存在価値があります。
時間との戦いは、自分との戦いと感じることもあります。 -
一人ひとりが自分の強みを活かす
鉄筋もコンクリートも、単体では強さが不十分です。
同じように、個々の強みが組み合わさることで、より強い力を発揮できます。
鉄筋コンクリートは、異なる特性を持つ素材が一緒になり、奇跡的な強さを実現しました。
これと同じように、私たちのクリニックのチームも、違いを尊重し、共通の理念を共有することで、患者さんにとって安心と信頼の拠点となる強靭な組織を作り上げることができると考えています。
これからも、一人ひとりが自分の役割を全うしながら、互いを支え合い、患者さんに最善の医療を提供するクリニックを目指していきます。