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足梗塞について

[2026.05.29]

「心筋梗塞」という言葉は、多くの方が聞いたことがあると思います。

心臓の血管が急に詰まり、心臓の筋肉に血液が届かなくなる病気です。

 

これと似たことが 足の血管 にも起こることがあります。

一般的に「足梗塞」と表現されることがあります。

医学的には 急性下肢動脈閉塞、または 急性下肢虚血 と呼ばれます。

 

簡単に言えば、足へ血液を送る動脈が急に詰まり、足が酸欠状態になる病気です。

発見や治療が遅れると、足の神経や筋肉が傷み、最悪の場合、足を失う危険もあります。

足梗塞とはどのような病気か

足には、心臓から送り出された血液が動脈を通って流れています。

この動脈が、血栓などで急に詰まると、足の先まで血液が届かなくなります。

血液は酸素や栄養を運んでいますので、血流が途絶えると、足の筋肉や神経が急速にダメージを受けます。

 

心筋梗塞が「心臓の血管のつまり」なら

足梗塞は 「足の血管のつまり」 と考えるとわかりやすいかもしれません。

 

どのような症状に注意すべきか

足梗塞で特に大切なのは、症状が 急に出る ことです。

次のような症状がある場合は注意が必要です。

突然、片足が強く痛む
足が冷たい
足の色が白い、または紫色っぽい
足のしびれがある
足の感覚が鈍い
足の指や足首が動かしにくい
足の脈が触れにくい

特に危険なのは、痛みだけでなく、しびれや動かしにくさを伴う場合です。

これは血流不足によって、神経や筋肉に影響が出始めている可能性を考えます。

「足が痛いだけだから少し様子を見よう」

「冷えているだけかもしれない」

「しびれは腰から来ているのだろう」

このように考えてしまうこともありますが、急性下肢動脈閉塞では時間が非常に重要です。

原因は何か

足梗塞の原因には、大きく分けて2つあります。

ひとつは、心臓などでできた血栓が足の血管に飛んで詰まる場合です。

特に注意が必要なのは、心房細動という不整脈です。

心房細動があると、心臓の中に血栓ができやすくなります。

その血栓が脳に飛べば脳梗塞、足に飛べば急性下肢動脈閉塞を起こすことがあります。

もうひとつは、もともと動脈硬化で狭くなっていた血管が、血栓で急に詰まる場合です。

糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙、慢性腎臓病などがある方では、足の動脈にも動脈硬化が進んでいることがあります。

慢性的な足の血流障害との違い

足の血管が悪くなる病気には、慢性的に進むものもあります。

代表的なのが、閉塞性動脈硬化症、末梢動脈疾患です。

この場合は、

歩くとふくらはぎが痛くなる
少し休むとまた歩ける
足が冷えやすい
足の傷が治りにくい
足の色が悪い

といった症状が、数か月から数年かけて進むことがあります。

一方で、足梗塞、急性下肢動脈閉塞は、突然起こる ことが特徴です。

「昨日までは普通だったのに、急に片足が痛い」

「急に足が冷たくなった」

「急にしびれて動かしにくくなった」

このような場合は、慢性的な血流障害よりも緊急性が高い可能性があります。

足梗塞は時間との勝負です

足の血流が止まると、時間とともに筋肉や神経のダメージが進みます。

早い段階で血流を戻すことができれば、足を守れる可能性があります。

しかし、治療が遅れると、血流を再開しても組織が回復しないことがあります。

そのため、急性下肢動脈閉塞が疑われる場合には、血管外科や循環器科、救急医療機関での迅速な評価が必要になります。

必要に応じて、造影CT、血管エコー、血液検査などで血管の詰まりを確認し、抗凝固療法やカテーテル治療、外科的治療などが検討されます。

こんな時はすぐに受診を

次のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。

特に、

片足だけ急に痛い
片足だけ急に冷たい
足の色が白い、紫色、まだらに見える
しびれがある
足の指が動かしにくい
足の脈が触れにくい
心房細動があり、急に足の症状が出た

このような場合は、緊急性が高い可能性があります。

「朝まで様子を見る」
「湿布で様子を見る」
「マッサージしてみる」

という対応で遅れてしまうと危険です。

 

早期発見のために

ABI検査 と 動脈エコー あるいは造影CT検査 で発見できます。

ABI検査は、腕と足の血圧を同時に測定して足の血圧が下がっていないかを判定します。

足のつまりがない方ではこのような感じの結果となります。

 

一方、足の血管が細く、狭くなっていると以下のような結果になります。

役に立つ動脈エコー検査

動脈エコー検査で、ももの付け根から足の先までの動脈を観察します。

血管が狭くなっていたり、詰まっていたら、プラーク(あぶらの塊)や血栓(血の塊)があることが見えます。

かつ、どれくらい狭くなっているのか、流れはどうか、ということがわかります。

心臓と足の血管はつながっています

戸頃循環器内科クリニックでは、心臓だけでなく、血管全体を意識した診療を大切にしています。

高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙歴、心房細動などは、心臓病だけでなく、脳梗塞や足の血管の病気にも関係します。

動脈硬化は、体のどこか一か所だけに起こるものではありません。

心臓の血管、脳の血管、首の血管、足の血管。

それぞれは別々に見えて、実は同じ血管の病気としてつながっています。

だからこそ、胸の症状だけでなく、足の冷え、歩行時の痛み、しびれ、傷の治りにくさなども大切なサインです。

 

 

足梗塞、急性下肢動脈閉塞は、頻度としては決して日常的によく見る病気ではありません。

しかし、見逃してはいけない病気です。

症状があるときには

「足の血流が悪くなっているかもしれない」

と考えることが大切です。

足は、毎日の生活を支える大切な臓器です。

歩くこと、外に出ること、自分の足で生活することは、健康寿命にも深く関わります。

戸頃循環器内科クリニックでは、いつでもABI検査、 動脈エコー検査、造影CT検査などで詳細な検査評価をできる体制にしています。

心臓と血管の病気を通じて、皆さまが安心して日常生活を送れるよう、わかりやすい説明と丁寧な診療を心がけてまいります。

 
 

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