睡眠時無呼吸症候群のCPAP導入基準が見直されました
睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP治療について、保険診療上の導入基準が見直されました。
これにより、これまでよりも早い段階で治療につなげやすくなる患者さんが増える可能性があります。
これはどんなメリットがあるのか、ということについて考えてみます。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。
いびきが大きい
寝ている間に呼吸が止まっていると指摘される
朝起きてもすっきりしない
日中に眠い
夜間に何度も目が覚める
夜中にトイレが近い
こうした症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。
この病気は、単に眠いだけの問題ではありません。
高血圧、不整脈、心不全、脳卒中、心筋梗塞など、心臓や血管の病気とも深く関係しています。
循環器内科の立場からみても、見逃してはいけない病気のひとつです。
CPAP治療とは
CPAPは、眠っている間に鼻や口に装着したマスクから空気を送り、気道が塞がらないようにする治療です。
睡眠中の無呼吸や低呼吸を減らすことで、
眠気の改善
睡眠の質の改善
いびきの軽減
血圧への良い影響
心血管リスクの軽減
などが期待できます。
特に、日中の眠気が強い方や、高血圧や心房細動などを合併している方では、治療の意義がとても大きいことがあります。
今回、何が変わったのか
今回の保険制度の見直しでは、CPAP治療の対象となる基準がこれまでより広がりました。
これまでは、一定以上の無呼吸低呼吸指数が必要で、少し基準に届かない患者さんでは、症状があっても保険での導入につながりにくいことがありました。
今回の改定では、その基準が引き下げられ、以前よりも早い段階で保険診療によるCPAP治療を検討しやすくなりました。
つまり。
以前なら「まだ少し様子を見ましょう」となりやすかった方でも、
今後は「治療したほうがよいですね」と判断しやすくなる
という変化です。
一時間に何回呼吸が止まっているか? という評価で考えます。
今までだと精密検査(PSG検査)で1時間辺り20回以上の呼吸停止ではCPAP治療の保険適応となっていました。
これが、1時間あたり15回でCPAP治療の保険適応、ということになりました。
もともとアメリカなど海外ではこの基準でしたが、何故か日本だけ20回、という基準が運用されていて、批判されていました。
どんな方にとってメリットが大きいのか
今回の見直しでメリットが大きいのは、たとえば次のような方です。
いびきや無呼吸を家族から指摘されている方
日中の眠気やだるさがある方
朝の頭痛や熟眠感のなさがある方
高血圧がなかなか下がらない方
心房細動など不整脈がある方
肥満がある方
夜間頻尿がある方
運転業務など、日中の眠気が仕事や安全に影響しうる方
これまで「保険適応にならないから」とCPAP治療は様子見になっていた方の中にも、実際には生活の質や循環器の病気に影響しているケースがあります。
今回の見直しは、そうした患者さんへ治療の恩恵がより受けられる方向の改定といえます。
ただし、導入したら終わりではありません
一方で、今回の見直しではもうひとつ大切なポイントがあります。
それは、CPAPは導入するだけでなく、きちんと使い続けることが大事だという点です。
どれだけ適応が広がっても、実際に装着できなければ十分な効果は得られません。
最初は
マスクが気になる
空気の圧が気になる
鼻が乾燥する
鼻づまりがあって使いづらい
途中で外してしまう
といったことがよくあります。
しかし、こうした問題は、マスク調整、加湿設定、鼻の治療、機器設定の見直しなどで改善できることも少なくありません。
大切なのは、合わないからすぐやめるのではなく、使える形に調整していくことです。
戸頃循環器内科クリニックで重要と考えていること
当院では、睡眠時無呼吸症候群を単なるいびきの問題としてではなく、心臓や血管を守るための重要なテーマとして考えています。
特に、
高血圧
心房細動
胸痛や息切れ
心不全
肥満
動脈硬化リスクの高い方
では、睡眠時無呼吸症候群が背景にあることがあります。
漠然と降圧剤を処方するのではなく、なぜ血圧が高いのか?
血圧が上がる原因があるのではないか?
というような考え方です。
当院では、症状だけでなく、血圧や不整脈、心血管リスク全体をみながら、必要に応じて検査や治療のご提案をしています。
今回の基準見直しにより、これまでよりも早い段階で治療を考えられる方が増える可能性があります。
だからこそ、「まだ軽いから大丈夫」と思い込まず、気になる症状がある方は一度ご相談いただきたいと考えています。
こんな症状がある方はご相談ください
いびきが大きい
寝ているときの無呼吸を指摘された
昼間に眠くなる
朝起きても疲れが取れない
夜中に何度も目が覚める
夜間頻尿がある
血圧が高い
心房細動がある
肥満が気になる
こうした症状や背景がある方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
よりたくさんの困っている方へ
今回のCPAP導入基準の見直しは、睡眠時無呼吸症候群の患者さんにとって、より早く、より適切に治療につながるための前向きな変化です。
睡眠時無呼吸症候群は、放置すると日中のつらさだけでなく、将来の心血管リスクにもつながります。
一方で、適切に見つけて治療することで、体調や生活の質の改善が期待できる病気でもあります。
いびきや眠気が気になる方、血圧や不整脈との関係が心配な方は、どうぞお気軽に戸頃循環器内科クリニックへご相談ください。
