水分管理と個人的な日記。
人間の組成分布では、60−70%は水分です。
心不全では、その水分が、体内に多くたまりすぎてむくんだり、息が苦しくなったり、疲れやすくなったりします。
水分量、水分比率が増える状態、ということです。
辛い状態です。
細かく見ると
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男性:筋肉が多いため 60〜65%程度
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女性:脂肪が多いため 50〜55%程度
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新生児:70〜80% と非常に多い
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高齢者:加齢に伴い水分量が減り 50%前後 になります
心不全では、この水分がすごく溜まってしまいます。
患者さんで、仕事にすごくこだわりを持っている寿司職人の方が言っていました。
魚を扱う上で一番大事なのは、魚の水分をしっかり抜いて旨味を凝縮していくことだ、と。
旨味を堪能するためには、水分をしっかり抜いていくことが重要、ということです。
自分の仕事ではどうでしょうか。
人間がそのもっている能力をしっかり発揮するのには、適正な水分量、というものがあります。
心不全を治療する。
あるいは予防する、という目的では
水分量を調整できるようにする
それが心不全治療をする医師の仕事、と言えるのかもしれません。
そのために、水そのもの、だけではく、口から入ってくる塩分量、というものをすごく気にしたりします。
体内の水分は悪、ではありません。
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体温調節:汗や蒸発で体温を一定に保つ
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栄養・酸素の運搬:血液を介して全身に供給
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老廃物の排出:尿や汗として排泄
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代謝反応の場:酵素反応などは水が溶媒
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クッション作用:脳脊髄液や関節液が臓器を守る
そんな機能があるので、水分は大事です。
心不全でなぜ、水分がたまりすぎるのでしょうか。
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心拍出量低下 → 腎血流低下
腎臓が「血液が足りない」と誤認し、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)や交感神経が活性化 → ナトリウム・水の再吸収増加。 -
静脈圧の上昇 → うっ血
心臓に戻れない血液が静脈側に滞る → 毛細血管から水分が外へ漏れ、浮腫・胸水・腹水として現れる。
そんなふうに考えます。
たまりすぎた水分のせいで困る症状として
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下肢浮腫:足首〜ふくらはぎのむくみ、靴下の跡が残る
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肺うっ血・肺水腫:息切れ、夜間の呼吸困難、起坐呼吸(横になると苦しい)
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腹水:お腹の張り、食欲低下
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体重増加:数日で2〜3kg増えることもある
という形で、あれれ、ということになります。
ということを仕事が終わったあと、患者さんとのやり取りや、いただいた質問にもっとうまくお答えできたのではないか、と考えながら過ごしたりしています。
本日の晩ごはんです。
ズッキーニは 約95%が水分 の野菜です。
低カロリーかつカリウム豊富。水分補給やダイエット中の料理にも向いています。
モロヘイヤの水分は約90%、ただズッキーニやきゅうりよりは少なく、栄養密度が高いです。
オクラや納豆のような“ねばねば”成分があります。
これは血糖値の上昇をゆるやかにし、コレステロールを下げ、腸内環境を整える働きがあります。
戸頃循環器内科クリニックの前のピアシティ、にはダイソーさんが入っています。
100円ショップです。
そこでピーラーを買ってきました。
いわゆる皮むき器、ですね。
同じくピアシティにあるスーパーカスミでかってきた野菜。
ズッキーニをスライスして、4枚重ねます。
塩をふって水分を抜き出し、旨味を凝縮します。
気分は江戸前の職人です。
10分は、ときに、1時間にも感じます。
私の時間間隔は伸び縮みします。
水分が浮かんできたら、キッチンペーパーで吸い取ります。
きっと旨味が濃縮しているのでしょう。
にんにくの香りを移したオリーブオイルで焼き目をつけます。
バターでコーティングします。
「ほんの少しだけなら」
それなら何を食べてもいいんですよ、っていう自分の言葉が頭の中、こだまします。
同時に。
体に悪いものはとても美味しいから厄介だ、というシェークスピアの戯曲にありそうでない言葉を妄想してしまいます。
爪楊枝ズッキーニは引き上げます。
同じフライパンにピーラーでスライスしきれなかったズッキーニを刻んで。
にんにく。オリーブの実を刻んで、赤ワインで合わせて炒めます。
最後はすべてを合体して。
今日一日を振り返りながらいただきます。
クリニックの帰り。
雨上がりでしたが、先週より暑さが落ち着いてきているのを感じました。
確実に秋は近づいていて、その次に冬が来ます。
循環器疾患は冬に症状を出すことが多いのです。
今年の冬には開院1年目を迎えます。
越谷の循環器内科クリニックとして、すこしでもこの地域に貢献できるように日々様々なチャレンジをしています。
スタッフにも恵まれました。
もっといい仕事ができるように。
一人でも、当院に来てよかったと感じていただけるように。
同じ考えに賛同してくれたスタッフが頑張ってくれています。
これからも5年後、10年後、20年後も目の前の相手の健康を守れる、維持できるような視野や視線を持って仕事をしていきたいと思っています。
