メニュー

心臓の血管は綺麗ですが。

[2025.04.27]

循環器内科を受診される理由の中では

「胸が痛い」

「締めつけられる感じがする」

といったものが多いです。

心臓の血管トラブルである狭心症が心配、ということで受診されることもあります。 

今回は、当院で行っている冠動脈CTAの話です。

 

 冠動脈CTAで「血管はきれい」と言われたのに、胸痛が治らない

狭心症は、心臓の筋肉に栄養を送る血管(冠動脈 かんどうみゃく)が狭くなり、心筋に血液が届きにくくなる、ことで起こります。

その診断に役立つのが 冠動脈CTA です。

この検査では、心臓の血管をCTで詳しく調べ、狭くなっている場所がないかを確認します。

特に脂の塊であるプラーク、があるかを評価します。

動脈硬化の程度を評価する石灰化、も見えます。

 

石がついている=カルシウムが血管に付着=動脈硬化が進行している

 

造影剤を用いて、撮影自体は数秒程度で終わります。

心臓は動いているため画像がブレやすいことから、短時間だけ脈を遅めにするお薬を服用して検査することもあります。

 

冠動脈CTAの特徴は

99%の高い陰性的中率(=「狭窄なし」と言われたら、本当に狭窄がない可能性が非常に高い)

つまり、「詰まっていない」という結果が出れば、多くの場合それは正しい結果といえます。

しかし…

狭窄はないと言われたのに、症状が消えない

検査は異常なし。でも胸が痛い

そんな方が、実は少なくありません。

心臓カテーテル検査を受けて狭いところがなかったが、胸の痛みの原因は不明なまままだ痛い、ということもあります。

 

※ 血管は詰まっていなくても、血のめぐりが悪いことがある

それが INOCA(イノカ) という状態です。

INOCA(イノカ) とは、

冠動脈に明らかな狭窄はないのに、心筋の血流が不足している

状態をいいます。

 

原因はさまざまですが、

  • 血管がけいれんする(冠攣縮 かんれんしゅく)

  • 血管の内側がうまく広がらない(内皮機能障害)

  • もっと細かい血管(微小血管)の血流が悪い(微小血管障害 通称CMD

    などがあります。
    いくつかの原因が含まれていることが特徴です。

特に 女性に多い ことが知られていて、「血管はきれいですね」と言われたあとでも症状が続くときには、このINOCAの可能性があります。

 

なぜ検査で異常なしと言われても油断できないのか?

冠動脈CTAは「血管が狭いかどうか」を調べる検査。

一方で、INOCAは「血管が狭くなくても、血流が悪くなる状態」です。

つまり

「血管の形(解剖)」は正常でも、血液の流れ(機能)は悪いことがある のです。

こういった血流の異常は、

ホルター心電図

負荷心電図

心臓MRI

 心筋シンチグラフィー

心臓カテーテル検査でCFR/IMR/攣縮誘発検査
 
などで評価することができます。

 

特に、微小血管狭心症CMDは

1.安静時・動いたときの胸痛、圧迫感、締め付けられる感じ、息切れ

などがあり

2.冠動脈CTAで冠動脈の狭窄、閉塞がなく

(カテーテル検査でもいいですが、体への負担がかかります)

3.胸部症状があるときの心電図変化や、運動負荷時の胸痛がある

 

この3つのステップで微小血管狭心症の可能性を強く疑います。

様々な論文報告でも、閉経後の女性に多いです。

夜間早朝の安静時に症状があることが多いですが、動いたときにも症状が出ることもあります。

ホルター心電図検査を行っているときに、よく動いて生活してもらったり、階段上り下りや自転車などを漕いでもらい、よく運動してもらうこともあります。

 

当院では、カテーテル検査を行っておりません。

必要に応じて他施設をご紹介しております。

カテーテル検査を行わなくとも、症状を詳細にお聞きして、さらに上記の検査を組み合わせることで、診断精度はかなり高まるように思っています。

 

 放っておいていいのか。 INOCAのリスク

「血管は詰まっていないなら大丈夫」と思いたいです

しかしながら、INOCAの方も以下のリスクがあるとされています。

  • 狭心症と同じような心血管イベント(心筋梗塞、突然死など)

  • 生活の質(QOL)の低下(胸痛、動悸、不安感)

    基本的には微小血管狭心症のかたの生命予後は悪くない、ですが心筋梗塞発症に至った症例の報告は散見されます。

「ただの気のせい」と片付けず、きちんと評価し、必要なら治療することが大切です。


治療は

症状が出そう、出たときに、ニトログリセリンの舌下投与が基本です。

しかしながらニトロの効果が乏しい微小血管狭心症のかたも多くいらっしゃいます。

カルシウム拮抗剤やβブロッカーが推奨されています。

本来は降圧剤、ということになり、血圧に影響が出ることもあります。

いくつもの選択肢があるので、普段の血圧の状態によりどの薬剤が良いのかは個々人で変わります。

アンギオテンシン変換酵素阻害薬 通称ACE阻害薬 やニコランジルなどの血管拡張作用がある薬剤を用いることもあります。

テープ製剤もあり、症状の経過や血圧、季節、によって様々に調整していく必要があります。

 

 

当院でできること

戸頃循環器内科クリニックでは、

  • 冠動脈CTAによる安心できる「除外診断」

  • いつでもホルター心電図、負荷心電図検査。

  • 連携施設での精密検査

  • INOCAが疑われる場合の専門的な評価と治療のご提案

を行っています。

「異常なしと言われたのに胸が痛い」

「これって心臓の病気じゃないの?」

そんな時も、どうぞ一度ご相談ください。

心配ごとがあれば、安心して日々を過ごせるように、しっかりとお手伝いさせていただきます。

 

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME