心房細動治療への考え
心房細動に対する戸頃循環器内科クリニックの関わりについて
先日患者さんから、心房細動の治療は大きい病院でするのと、このクリニックでするのとどちらがいいのか?という質問をいただきました。
素晴らしい質問と感じました。
自分の人生がかかっているので、それをしっかり確認したいと思うのは当然です。
心房細動の治療は生活習慣病外来の延長にある。
心房細動患者の大半の方は、高血圧、糖尿病、肥満のリスクを持っています。
この3つのリスクを持っている方が心房細動になりやすい、ということからも明らかです。
戸頃循環器内科クリニックでは、不整脈専門外来、というものを超えて、予防・管理を地域のクリニックで行うことに価値があると考えています。
心房細動はすでに「怖い不整脈の病気」、ではなく「日常的に管理すべきもの」と考える時代と思っています。
リスクマネージメントセンターとして
心房細動は脳梗塞の最大のリスク因子です。
かつて、私が久喜の地域で循環器診療をしているときには、脳へ飛んだ血栓回収の症例数が日本で一番になった時期がありました。
脳神経外科の優秀な先生たちが仕事をされていました。
裏を返せば、地域で脳梗塞の予防ができていないのでは?という仮説も持ちました。
そのときに、心房細動が原因で心臓にできた血栓(血の塊)が飛んでいるという事実を面前に、心房細動の治療をしよう、しっかりとリスクを管理しよう、心房細動そのものをアブレーションにより根治しよう、ということからアブレーション手術を始めました。
地域のクリニックの先生たちにも心房細動のリスクの評価などについてもたくさん講演をして回りました。
数年かかりましたが、久喜の地域では心房細動のせいで脳梗塞で苦しむ患者さんが劇的に減りました。
定期的な心電図チェックのみならず、血圧の推移、体重変化、運動習慣や飲酒量などを総合的かつ定期的にスクリーニングしていけば、見えなかったリスクも見えるようになってきます。
潜在リスクの可視化、といっています。
多くの患者さんは発作がないから大丈夫と思っています。
当然ですね。痛くも痒くもないのに、何が脳梗塞だ、と思うのは自然です。
目の前の患者さんの今を見ることは大事です。
でも医療従事者は患者さんの未来がおぼろげにも見えることもあるのです。
経験を積む、とはそういうことです。
単なる不整脈の管理、心房細動の投薬などというものとは違います。
未来の脳卒中を防ぐ地域の安全網は、大病院ではなく、地域のクリニックであると考えています。
アブレーションで根治を目指す適切なタイミングはしっかり分かります。
入院治療が必要なときには信頼できる技術の確かな先生・施設をご紹介します。
いざというときに、がんばる、は重要です。
いざというとき、が少しでも来ないようにするのはもっと大事なのかもしれません。
初診まで何日も、何週間も待ち時間があったり、かかりつけのはずなのに、体調が悪くてもすぐ見てくれない大きな病院、という不満は病院勤務時代にたくさんお聞きしました。
手術で腕を発揮するには、外来でたくさんやっているわけには行かない病院の事情もわかります。
でも患者からしたら、困ってるときに頼りたいのは自分のことをよく知ってる人ですよね。
なので、戸頃循環器内科クリニックは日曜以外は毎日外来するようにしました。
毎日院長が外来やっていて、予約外でもその日に必ず話をお聞きする、というスタイルが自分が患者さんに提供したい仕組みです。
時代は進み
古来から心房細動は聴診、検脈、心電図で診断するものでした。
でも今はApple watchなどのスマートウォッチでも診断できるような時代になってきています。
心電図を測定しただけで、将来の心房細動になる可能性を推測できる時代です。
まだ、ここから数年で更に進化していくでしょう。
でも、大事なのは目の前の患者さんの目を見てしっかり話を聞くこと。
テクノロジーに溺れないように、使われないように、使いこなすことを考えながら仕事をしています。
心房細動管理と美容医療は両立する
ストレス・自律神経の乱れは、心房細動の発症リスクです。
瞑想やリラクゼーションがストレス軽減には有効です。
毎日のお肌の管理やお化粧がストレスになっていている話は日々お聞きします。
もし、心房細動リスクのある方が当院の美容皮膚科でお肌の状態を良くして、ストレスが減る・リラックスできる・よく眠れるようになる・人と合うのが楽しみになった・少し前の自分より明らかに良いなどの最近いただいた美容皮膚で治療を受けられた患者さんたちと同じような気持ちになっていただけたら、これは新しい心房細動治療の一つになりうるのだろうか、と考えています。
単純に、循環器内科として血管をキレイにするだけでなく、お肌もキレイになるお手伝いをしたいです。
戸頃循環器内科クリニックでの心房細動治療を考えたとき、心房細動は高血圧・糖尿病などの生活習慣病の一つとして捉えることもできます。
また、病気を治療するという観点だけでなく、幸せな毎日、とか気持ちの良い生活、安心して過ごせる、というものを少しでも感じてもらえるような仕事をしたいと日々思っています。
これが、現状考える当院での心房細動への治療の捉え方になります。
だから、当院で治療するのが良いですよーって言いたかったです。
実際には、任せてください、ってお伝えしました。
口下手ですがやる気はあります。