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帯状疱疹ワクチンについて

[2026.05.27]

ここ数ヶ月、帯状疱疹ワクチンについて話が聞きたい、とリクエストがかなりあります。

その場合に、大抵多くの方がこう言われます。

「不活化ワクチン? こっちの高いです」

確かにその通りです。

 

不活化ワクチン、シングリックス は2回接種が必要で、決して安価なワクチンではありません。

「本当に必要なのかな」と迷われる方も多いと思います。


ですが、診療をしていると、私は逆にこう感じることがあります。

 

「帯状疱疹は、“軽く見られすぎている病気”かもしれない」と。


帯状疱疹は「発疹だけの病気」ではないのです

帯状疱疹というと、

  • 赤いブツブツ

  • ピリピリ・チクチクする痛み

  • 数週間で治る皮膚病

というイメージを持たれることが多いです。

 

もちろん軽症で済む方もいます。

軽症であってほしいと思います。

 

でも。

 

実際には、

  • 夜眠れないほどの神経痛

  • 洋服が触れるだけで痛い

  • 数か月〜数年続く痛み

  • 顔面神経麻痺

  • 目に出た場合の視力障害

  • 失明も有り得る
  • 疲労やストレスによる長期の体調低下

など、生活の質を大きく落としてしまうケースがあります。

 

診察室でも、

「もう二度となりたくない」

と話される患者さんは少なくありません。

 

特に50歳を超えるとリスクが上がります

帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが、加齢や疲労、ストレス、免疫力低下などをきっかけに再活性化して起こります。

そのため、

  • 50歳以上

  • 糖尿病

  • 高血圧

  • 心疾患

  • 睡眠不足

  • 強いストレス

  • がん治療中

  • 免疫を抑える薬を使っている方

などでは注意が必要です。

 

循環器内科に通院されている患者さんは、年齢的にもリスク層に入ることが多いです。

決して無関係ではありません。

 

「高いワクチン」ではなく「失いたくない生活を守るワクチン」

私は、帯状疱疹ワクチンを単なる感染予防だけではなく、

「元気な日常を守るためのワクチン」

として考えています。

例えば、

  • 趣味を楽しめる

  • 旅行に行ける

  • 夜しっかり眠れる

  • 家族との時間を穏やかに過ごせる

  • 痛みに支配されず生活できる

こうした普通の日常は、失って初めて大切さに気づくことがあります。

 

帯状疱疹後神経痛になると、

「寝るのもつらい」
「服が当たるだけで痛い」
「外出したくない」

という状態が長引くことがあります。

診察室で悲鳴にも似た症状をお聞きするたびに

早くワクチンを勧めておけばよかったと、チクチクする感情を感じます。

 

つまり、ワクチンで守りたいのは「皮膚」ではなく、

自分本来の生活

なのです。

 

「予防にお金を使う」という考え方

もちろん、すべての方に必須というわけではありません。

 

実際の医療現場では、

  • 発症後の長期通院

  • 鎮痛薬治療

  • 睡眠障害

  • 活動量低下

  • フレイル進行

など、発症してからの負担を強く感じる場面が多くあります。

患者さんが嫌だな、とか、辛いな、と感じてる気持ち ✕ 患者さんの数

が私自身にのしかかります。

 

そのため、

「治療費」だけではなく、

  • 痛み

  • 時間

  • 睡眠

  • 活動性

  • 日常生活

まで含めて考えることが重要である、と思っています。

 

失って初めて分かる健康のありがたみ

など分かる必要なんて、本来はないのです。

 

健康とは、

やりたいことを普通にできる状態

といえます。

 

帯状疱疹ワクチンは、その当たり前の生活を守る選択肢の一つです。

「高いからやめる」ではなく、

「自分は何を守りたいのか」

という視点で、一度考えてみても良いかもしれません。

気になる方は、診察時にお気軽にご相談ください。

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