同じ時間に起きる。
睡眠時間、という指標があります。
それは、短すぎる、長すぎる睡眠時間が体調や寿命に関わるからという視点です。
一方で、体内時計、というものがあります。
時差ボケ、というのもこの時計からくるものです。
先日読んだ研究では「毎日ほぼ同じ時刻に寝起きすること」が代謝・自律神経・血圧・炎症の安定に直結する、と言っていました。
Sleep, Volume 47, Issue 1, January 2024, zsad253,
この研究は、約9.8万人(UK Biobank)の手首加速度計データからSleep Regularity Index(SRI)を算出し、平均6.3年追跡。SRIが不規則(低い)なほど、全死亡・がん・心血管死のリスクが高いという結果でした。
共変量(年齢、性別、社会経済指標、生活習慣、基礎疾患など)を調整しても関連は持続。
睡眠時間よりも、規則性の方が死亡リスクの説明力が強かったという重要な知見です。
緑のラインは、毎日決まった時間に寝起きしていた方々。
赤のラインは、寝起きの時間がバラバラ。
縦軸は、生存者の数。上に行くほどたくさん生き残っている、ということです。
簡単に言えば
何時間寝たかより、毎日ほぼ同じ時間に寝て起きているか
の方が、長生きに効いていた、ということです。
心臓病の管理治療で考えるならば
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血圧の日内変動が整う:同じ時刻に起きると朝の交感神経ピークが安定し、朝高血圧や起床時の動悸が軽減しやすい。
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心房細動・期外収縮への悪影響がへる:不規則な就寝・過度な寝だめは、自律神経の“揺れ幅”を大きくします。
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代謝(糖・脂質)の安定:就寝・夕食時刻のブレは高血糖・中性脂肪上昇と結びつきやすい。
睡眠時無呼吸の見落としに注意したいです。
いびき、日中の強い眠気、夜間頻尿があれば寝起きする時間より、睡眠の質が悪い可能性高く、睡眠時無呼吸症候群の精密検査をしたほうがいいです。
当院ではすぐに、自宅でできます。
睡眠時間の長さ、についてはあまり差がなかったりします。
長く寝たほうがいい、とは言いにくい結果です。
規則ために寝起きするならどんな工夫があるでしょうか。
① 起床時刻固定(最重要)
多分これが一番大事と思います。
起きる時間には徹底的にこだわる。
休日も遅く起きるのは±30〜60分以内
どうしても寝坊したい日は最大2時間までくらい。
② 朝の光を浴びる
起床後 1時間以内に屋外へ。
曇りでも可。室内なら窓辺で。
③ 就寝時刻は後からついてくる
起きる時間を先に固定すると、夜の眠気が自然に揃います。
早起きした日は、早く眠くなりますよね。
いいんです。
④ 夕食は就寝の3時間前まで
夜食はタンパク+少量炭水化物(例:ヨーグルト+小さなバナナ半分)。
ホットミルクとはちみつは、ぐっすりドリンクと呼んでいます。
⑤ カフェイン門限
コーヒー・エナドリは就寝6〜8時間前で打ち止め。
緑茶も意外にカフェインが入っていますね。
⑥ アルコールは眠りの質を崩す
飲むなら軽め+早め。連日の飲酒は就寝時刻を乱しがち。
寝付きは良くなりますが、途中で起きる原因になります。
大事なことなのでもう一度。
酒は、寝付きは良くなりますが、途中で起きます。
⑦ 運動は午前〜夕方
強度の高い運動は就寝3時間前まで。
日中の活動量を増やすだけでも入眠が整います。
⑧ デジタル・サンセット
就寝前60分は脳をクールダウン
照度を落とす、通知を切る、紙の本
⑨ 短い昼寝で帳尻合わせ
眠気が強い日は30分以内 15時前。
長い昼寝は夜の寝る時間がズレます。
⑩ ベッド=寝る場所の条件づけ
眠れないまま長居しない。
ごろごろごろごろごろごろごろしない。
20〜30分で眠れなければ一旦起きて、眠気が戻ってから再入床。
こんなときに飲むホットミルクは最高です。
夜勤?
アンカー睡眠という考え方がありまして。
勤務に関わらず毎日共通のコアの睡眠時刻 2〜3時間を確保し、残りを前後に分割する、という方法です。
強い光は起きたい時刻にあびる。
遮光は寝たい時刻に徹底する。
休み明けに一気に昼夜反転しない。段階的に1〜2日かけて戻す。
連勤中のカフェインは前半に限定、後半はカフェイン取らないようにしておく。
が対策です。
まずは、起きる時間をしっかり固定する、というのが重要です。
それでも、眠い、だるい、などのときにはやはり。
睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。
一度ご相談ください。
いびきをかかない無呼吸症候群もあります。
