体重よりも大切な体力
体重がなかなか減らないけれど、運動はしっかりやっています。
運動、大事ですね。
という会話をよくします
この会話の裏側には
「太っていると心臓に悪い」
「やせなければ健康になれない」
そんな考えがちらりと見えてきます。
体重が減らないといけないのか?
あるいは
体重が減らないなら、運動なんかしても無駄なのか?
そういう思いをお聞きすることもあります。
いままで、運動はしっかり続けたほうがいいです、と100万回くらい言い続けてきました。
その参考になる研究が今年出ました。
国際的な大規模研究の結果
2025年2月に British Journal of Sports Medicine に発表された系統的レビューとメタ解析です。
Weeldreyer NR, et al. Br J Sports Med 2025;59:339–346
世界中の20件の前向きコホート研究、合計 約40万人 のデータを統合し、
BMI 体格指数
と
運動量(CRF cardiorespiratory fitness)
が死亡や心疾患のリスクにどう関わるかが調べられました。
その結果、以下の重要な結果が得られました。
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運動良好群 では、たとえ過体重や肥満であっても死亡リスクや心疾患リスクは増えない。
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運動不良群 では、正常体重であっても死亡リスクは2〜3倍に上昇。
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特に「肥満 × 運動不良群」が最も危険。
つまり、「体重」よりも「運動量」の方が、健康や寿命にとってはるかに重要だということです。
減量や見た目の数字にとらわれすぎず、体力を維持・向上させるための運動を続けることが重要である、ともいえます。
「運動が苦手…」
「忙しくて時間がない…」
という方でも、毎日のウォーキングや簡単な筋トレで十分です。大切なのは 無理なく続けること です。
健康寿命にとっては「やせること」よりも「体力があること」が大切。
そのための日常の運動は有用です。
フィットネス良好群を目指すことが、心臓病予防と長生きにつながっていきます。
当院では「減量+体力向上」の両輪で、皆さんの健康を支えます。
体重の数値に一喜一憂するよりも、「今日どれくらい体を動かせたか?」を気にするのもいいと思います。
その積み重ねが、健康と人生の質を大きく変えていきます。
