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ワクチン接種に関して

[2024.10.01]

インフルエンザワクチンの予防接種が徐々に始まってきています。

当院でも開院当日から開始予定です。

10月3日から予約開始いたします。

 

本日は、あまり知られていないものの重要な予防可能なウイルス感染症についての話です。

RSウイルス感染症、をご存じでしょうか。

RSとはRespiratory   Syncytial  virusの頭文字をとったウイルスです。

Respiratory; 呼吸器の(肺や気管支のことです)

Syncytial; 合胞体(一つの細胞に二つ核があるということ、正常では一細胞一核)

という意味です。

ウイルスに感染した呼吸気道上の細胞と細胞が融合してしてしまう特徴があります。

新型コロナ Covid-19やHIV, ヒトヘルペスウイルスも同様の性質があります。

 

感染経路は、飛沫感染、接触感染です。

人生において何度もRSウイルスに感染と発病を繰り返しますが、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされています。

子供の風邪の代表です。

幼稚園、保育園で感染が流行っているという話を時々聞きます。

たいてい、ただの風邪として対症療法となります。

 

気道に感染し炎症を起こすので、症状もそこから発生します。

感染後、5日前後の潜伏期間を経て、発熱、鼻水症状が数日続きます。

そのままよくなることがほとんどです。

問題は、心疾患や呼吸器疾患のある方での感染です。

特に高齢者、気管支喘息、COPDのある方や糖尿病、慢性腎臓病の方では重症化することがあります。

心不全で治療中の方が、感染により肺炎を合併すると心不全も肺炎も重症化することがあり注意が必要です。

 

RSウイルス感染では対症療法であるものの、肺疾患があるときには肺炎に移行しやすく呼吸状態の悪化、あるいは心疾患があるときには、肺炎のみならず心不全も悪化することがあり、治療に難渋します。

入院でも数日では退院は難しく、リハビリも含めると長引いて体力が衰えるが心配されます。

RSウイルス感染症には、治療に対する特効薬がないのです。

 

そうすると、元気なうちはRSウイルスに関して心配することはないものの、基礎疾患と考えられる上記の心疾患、肺疾患、糖尿病、腎疾患がある方には、大問題ということになります。

特効薬がない以上、予防するのが一番です。

うがい手洗いは、接触感染に対する対処では有効です。

マスクは飛沫感染予防に有効です。

そこに、2024年1月、今年の初頭に予防接種が登場しました。

アレックスビー、という製品です。

発売間もなく、認知度も少ないです。

子供たちにとってはしょっちゅ感染するウイルスですが、基礎疾患あるかたでは問題となる状況を打破します。

60歳以上で、基礎疾患がある方にお勧めします。

1回打てば2年は効果が持続することが確認されています。

自費での予防接種となります。

当院での費用は25,500円(税込み) です。

 

戸頃循環器内科クリニックでは、このRSウイルスワクチンの接種を積極的に推進していきます。

皆様が安心して冬を迎えるためのサポートを行っていきます。

特効薬のないこの感染症では、予防接種が皆様とご家族の健康を守るために最も効果的な方法です。

予約制でワクチンをご用意いたします。

 

厚生労働省 RSウイルスQandA

 

ちなみに、越谷市の人口(約34万人)のうち、約28%が65歳以上の高齢者です。

日本全体における高齢者と乳幼児の割合、感染患者比率を考慮すると、越谷市でのRSウイルスによる入院者数は年間100~200人と推定されます。

そのうち、死亡者数は1~2名程度と推定されます。

この、2名の方がRSウイルス感染症で悲しいことにならないように予防接種を積極的に行っていきます。

 

 

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