コレステロールが高い。その時の考え方 その3
冠動脈石灰化スコアは、迷ったときの判断材料
「薬を飲むべきか、生活改善だけで様子を見てよいか」
この判断が難しい場合に役立つのが、冠動脈石灰化スコア、いわゆるCACスコアです。
冠動脈石灰化は、心臓の血管に動脈硬化が存在することを示します。
通常は、造影剤を使わない心電図同期CTで評価します。
2026年ガイドラインでは、主に、
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男性40歳以上
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女性45歳以上
で、治療方針に迷う場合にCACを活用します。
CAC 0
冠動脈石灰化が認められない状態です。
次の高リスク条件がなければ、患者さんの希望に応じて薬物療法を延期し、生活改善を優先できる場合があります。
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LDL-C 190 mg/dL以上
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家族性高コレステロール血症
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40歳を超える糖尿病
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現在の喫煙
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若年発症ASCVDの強い家族歴
ただし、CAC 0は「一生安全」という意味ではありません。
一定期間後の再評価が必要で、ガイドラインでは3~7年後の再検討が示されています。
CAC 1~99
軽度の冠動脈石灰化があります。
中強度スタチンが合理的とされます。
目標は、
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LDL-Cを30~49%低下
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LDL-C 100 mg/dL未満
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non-HDL-C 130 mg/dL未満
です。
CAC 100~299
明らかな冠動脈動脈硬化が存在します。
LDL低下療法を開始し、
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LDL-C 70 mg/dL未満
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non-HDL-C 100 mg/dL未満
を目標にします。
CAC 300~999
高度な冠動脈石灰化です。
少なくとも、
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LDL-Cを50%以上低下
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LDL-C 70 mg/dL未満
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non-HDL-C 100 mg/dL未満
を目指します。
さらに、患者さんのリスクによってはLDL-C 55 mg/dL未満を目指して治療強化を考えます。
CAC 1000以上
極めて高度な冠動脈石灰化です。
心筋梗塞の既往がなくても、非常に高いリスクと考え、
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LDL-Cを50%以上低下
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LDL-C 55 mg/dL未満
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non-HDL-C 85 mg/dL未満
を目標とします。
胸部CTで偶然見つかった冠動脈石灰化も重要です
健康診断や肺の検査などで胸部CTを撮影した際、
「冠動脈に石灰化があります」
と記載されることがあります。
これは、たまたま見つかった所見であっても無視できません。
2026年ガイドラインでは、心臓以外の目的で撮影したCTで偶然冠動脈石灰化が見つかった場合も、脂質低下療法を開始・強化する判断材料として考慮すべきとしています。
当院では、胸部CTで冠動脈石灰化を認めた場合、
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石灰化の程度
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胸痛や息切れの有無
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心電図
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心エコー
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LDL-C
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糖尿病
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腎機能
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喫煙歴
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家族歴
などを組み合わせて評価します。
石灰化があるから直ちに冠動脈が詰まっているとは限りませんが、少なくとも動脈硬化が存在する証拠になります。
LDLがいくつだから、という視点と
動脈硬化のリスクがどれくらいあるか、ということと
実際動脈硬化がどれくらい進行しているか
そしてどれくらいまで治療目標を調整していくか、という考え方です。
