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コレステロールが高い。その時の考え方 その3

[2026.07.27]

冠動脈石灰化スコアは、迷ったときの判断材料

「薬を飲むべきか、生活改善だけで様子を見てよいか」

この判断が難しい場合に役立つのが、冠動脈石灰化スコア、いわゆるCACスコアです。

冠動脈石灰化は、心臓の血管に動脈硬化が存在することを示します。

通常は、造影剤を使わない心電図同期CTで評価します。

2026年ガイドラインでは、主に、

  • 男性40歳以上

  • 女性45歳以上

で、治療方針に迷う場合にCACを活用します。

 

 

CAC 0

冠動脈石灰化が認められない状態です。

次の高リスク条件がなければ、患者さんの希望に応じて薬物療法を延期し、生活改善を優先できる場合があります。

  • LDL-C 190 mg/dL以上

  • 家族性高コレステロール血症

  • 40歳を超える糖尿病

  • 現在の喫煙

  • 若年発症ASCVDの強い家族歴

ただし、CAC 0は「一生安全」という意味ではありません。

一定期間後の再評価が必要で、ガイドラインでは3~7年後の再検討が示されています。

 

CAC 1~99

軽度の冠動脈石灰化があります。

中強度スタチンが合理的とされます。

目標は、

  • LDL-Cを30~49%低下

  • LDL-C 100 mg/dL未満

  • non-HDL-C 130 mg/dL未満

です。

CAC 100~299

明らかな冠動脈動脈硬化が存在します。

LDL低下療法を開始し、

  • LDL-C 70 mg/dL未満

  • non-HDL-C 100 mg/dL未満

を目標にします。

 

CAC 300~999

高度な冠動脈石灰化です。

少なくとも、

  • LDL-Cを50%以上低下

  • LDL-C 70 mg/dL未満

  • non-HDL-C 100 mg/dL未満

を目指します。

さらに、患者さんのリスクによってはLDL-C 55 mg/dL未満を目指して治療強化を考えます。

 

 

CAC 1000以上

極めて高度な冠動脈石灰化です。

心筋梗塞の既往がなくても、非常に高いリスクと考え、

  • LDL-Cを50%以上低下

  • LDL-C 55 mg/dL未満

  • non-HDL-C 85 mg/dL未満

を目標とします。


胸部CTで偶然見つかった冠動脈石灰化も重要です

健康診断や肺の検査などで胸部CTを撮影した際、

「冠動脈に石灰化があります」

と記載されることがあります。

これは、たまたま見つかった所見であっても無視できません。

2026年ガイドラインでは、心臓以外の目的で撮影したCTで偶然冠動脈石灰化が見つかった場合も、脂質低下療法を開始・強化する判断材料として考慮すべきとしています。

当院では、胸部CTで冠動脈石灰化を認めた場合、

  • 石灰化の程度

  • 胸痛や息切れの有無

  • 心電図

  • 心エコー

  • LDL-C

  • 糖尿病

  • 腎機能

  • 喫煙歴

  • 家族歴

などを組み合わせて評価します。

石灰化があるから直ちに冠動脈が詰まっているとは限りませんが、少なくとも動脈硬化が存在する証拠になります。

 

LDLがいくつだから、という視点と

動脈硬化のリスクがどれくらいあるか、ということと

実際動脈硬化がどれくらい進行しているか

そしてどれくらいまで治療目標を調整していくか、という考え方です。

 

その4 へつづく

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